主要7カ国(G7)の首脳らが8日、ロシアへの追加制裁について協議する。

  欧州委員会のフォンデアライエン委員長は、ロシア産原油の禁輸案を巡り欧州連合(EU)内で合意が成立することに自信を示した。ハンガリーとスロバキア、チェコに対しては、順守までに時間的猶予を与える案を提示した。

  ハンガリーのオルバン首相は6日早く、EUの当初案はハンガリー経済に「核爆弾」を落とすようなものだと述べて反対し、5年間の猶予期間が必要だと主張していた。

EU、ロシア産原油禁輸案を修正-ハンガリー含む3カ国に時間的猶予

  ウクライナの高官によれば、南東部マリウポリからのさらなる民間人避難が計画されている。アゾフスタリ製鉄所には今も兵士らが残っており、ロシア軍による攻撃が続いている。ロシアは9日に戦勝記念日を迎える。プーチン大統領がウクライナでの「特別軍事作戦」について話す可能性が高いとみられる。

マリウポリのアゾフスタリ製鉄所から退避してきた人々(5月3日)Source: AFP

  ウクライナ情勢を巡る最近の主な動きは以下の通り。

G7首脳ら対ロ制裁について8日に協議へ

  事情に詳しい関係者が明らかにしたところによれば、G7首脳らは8日、対ロ追加制裁について協議する。関係者の1人によれば、新たな制裁の可能性を巡り各国が足並みをそろえ、場合によっては最終的に協議をまとめる。ウクライナのゼレンスキー大統領も協議に招待されているという。

G7首脳ら、対ロ追加制裁を巡り8日に協議へ-関係者

ロシア産エネルギー禁輸なら英国のインフレ悪化へ

  欧州がロシア産エネルギーを完全に輸入禁止とした場合、英国のインフレ率は予測されている40年ぶりの高水準からさらに押し上げられる可能性がある。イングランド銀行(英中央銀行)のチーフエコノミストを務めるヒュー・ピル氏が指摘した。

ロシア産エネルギー禁輸なら英国のインフレ悪化へ-英中銀のピル氏

米大統領夫人、ルーマニアとスロバキア訪問へ

  ジル・バイデン米大統領夫人は米国を出発、ルーマニアとスロバキアを訪問する。大統領夫人オフィスが明らかにした。ジル夫人は駐留米軍を訪問し、北大西洋条約機構(NATO)に加盟する両国との関係を再確認するほか、ウクライナ避難民と話す機会を持つ予定。

ボーリー氏率いる投資連合、チェルシー買収合意に近づく-関係者

  ロシアの富豪ロマン・アブラモビッチ氏が所有するサッカーのイングランド・プレミアリーグの強豪クラブ、チェルシーが米資産運用会社グッゲンハイム・パートナーズの元幹部、トッド・ボーリー氏率いるグループへの売却契約の調印に近づいている。事情に詳しい複数の関係者によると、投資連合はチェルシーおよびアブラモビッチ氏と6日にも合意に達する可能性がある。

カナダはスウェーデンを支持する、NATO加盟申請なら-外相

  カナダのジョリー外相はスウェーデンがNATOに加盟申請した場合、カナダはスウェーデンを支持するとともに、ロシアの報復措置に備えて迅速な批准プロセスを促すだろうと述べた。

岸田首相、「ウクライナは明日の東アジアかもしれない」

  岸田文雄首相は訪問先のロンドンでの5日の記者会見で、「ウクライナは明日の東アジアかもしれない」と発言した。

ウクライナ大統領、ジョージ・W・ブッシュ元米大統領と会談

  ウクライナのゼレンスキー大統領はジョージ・W・ブッシュ元米大統領とビデオ会談を行った。電子メールで送付された文書によると、ロシアのウクライナ侵攻や米国のウクライナ支援などについて意見交換したという。

プーチン大統領、ヒトラー巡る外相発言巡り謝罪-イスラエル

  イスラエルは5日、ヒトラーにユダヤ人の血が流れていたとのロシア外相発言を巡りプーチン大統領がベネット首相に電話で謝罪したことを明らかにした。ロシアのラブロフ外相によるこの発言をきっかけに両国間の対立が深まっていたが、ベネット首相はプーチン大統領の謝罪を受け入れたと首相府がツイッターで明らかにした。

  ロシア政府は謝罪に関して言及せず、プーチン大統領とベネット首相がナチスによるユダヤ人大量虐殺(ホロコースト)を含め第二次世界大戦の犠牲者を思い出すことの重要性で一致したと説明するにとどめた。

EU、ロシアの元新体操選手アリーナ・カバエワ氏への制裁検討

  ロシアのプーチン大統領と「親密な関係」にあるとされる同国の元新体操選手アリーナ・カバエワ氏について、欧州連合(EU)は制裁の対象とすることを提案している。ブルームバーグ・ニュースが確認した文書と事情に詳しい関係者の話で明らかになった。クレムリンはこれまで、プーチン氏とカバエワ氏との恋愛関係や2人の間に子どもがいるとの報道を繰り返し否定している。

EUの次の標的はロシア産ガス-ドイツ政府当局者が語る

  ドイツ政府は、ロシア産石油の段階的禁輸が合意されれば、EUは次にロシア産ガスに目を向けると見込んでいる。ショルツ首相の経済顧問が明らかにした。

スウェーデン、フィンランドに米が保証-NATO加盟申請の場合

  スウェーデン、フィンランド両国がNATOに加盟申請した場合、正式加盟までの間にロシアに脅かされる事態となれば、米国が両国にさまざまな安全保障上の保証を提供する用意がある。スウェーデンのリンデ外相はブリンケン米国務長官とワシントンで会談後、このように語った。

原題:Ukraine Latest: G-7 Leaders to Discuss More Russia Sanctions(抜粋)