ロシアによるウクライナに対する軍事侵攻が続いています。

ウクライナの各地でロシア軍とウクライナ軍が戦闘を続けていて、大勢の市民が国外へ避難しています。戦闘の状況や関係各国の外交などウクライナ情勢をめぐる31日(日本時間)の動きを随時更新でお伝えします。

(日本とウクライナ、ロシアのモスクワとは6時間の時差があります)

ウクライナ東部 セベロドネツクの市長 “ほぼ半分を制圧された”

ウクライナ東部ルハンシク州のセベロドネツクの市長は5月31日、AP通信の取材に対し、これまでにセベロドネツクのほぼ半分がロシア軍に制圧されたと明らかにしました。
また「激しい市街戦が続き、砲撃が、破壊された街で避難しているおよそ1万3000人の命を脅かしている」と述べて危機感をあらわにするとともに、電気が遮断され、水や食料、それに薬が必要だと訴えました。

ロシア ラブロフ外相 6月8日にトルコ訪問で黒海海上輸送を協議

世界有数の穀物の輸出国のウクライナが黒海に面した港をロシア軍に封鎖されて輸出ができなくなっているとして世界各地で食料の不足や価格高騰への不安が高まる中、ロシアのラブロフ外相が6月8日にトルコを訪れ、黒海の海上輸送ルートについて協議することになりました。

トルコのチャウシュオール外相が31日、政府系通信社のアナトリア通信の取材に対し、明らかにしたもので「穀物を安全に運び出すためには回廊を設けたり、監視体制を構築したりしなくてはいけない」と述べ、ロシアとウクライナ、それに国連とトルコの4者で調整していきたいとしています。

これに先立ってトルコのエルドアン大統領は30日、ロシアのプーチン大統領、そしてウクライナのゼレンスキー大統領と個別に電話で会談していて、ロシア大統領府によりますとプーチン大統領は会談で「トルコとの協力のもと、ウクライナ南部に面する黒海やアゾフ海の港から穀物の輸出も含め、海上輸送を促進する用意がある」と伝えていました。
一方でプーチン大統領は「ロシアへの制裁が解除されたら、多くの農産物や肥料を輸出することができる」とも強調し、欧米による制裁の解除と引き換えに、港の封鎖を解くことを示唆しています。

ロシア ラブロフ外相 食糧危機の原因は欧米側の制裁と主張

ロシアのラブロフ外相は31日、訪問先の中東バーレーンで会見し、世界的に穀物価格の高騰などが懸念されていることについて「ロシアは、ウクライナの港から穀物などの輸出が妨害されないことを保証する措置をとってきた」と主張しました。

そのうえでラブロフ外相は「欧米側は、ロシアの船が港に入れないようにしたり、物流や金融網を遮断したりするなど、数々の人為的な問題を引き起こしている。食料安全保障について大見得を切るのか、それともこの問題の解決に向けた具体的な措置をとるのか、どちらが重要なのか真剣に考えるべきだ」と述べ、食糧危機の原因は欧米側のロシアに対する制裁にあると主張し、改めて解除を要求しました。

オランダ向けガス供給停止を発表 ロシア政府系ガス会社

ロシア最大の政府系ガス会社ガスプロムは31日、オランダの大手ガス会社「ガステラ」への天然ガスの供給を完全に停止したと発表しました。
停止の理由についてガスプロムは、天然ガスを購入する際、ロシアの通貨ルーブルでの支払いを義務づけていたものの、それが実施されなかったためだとしています。

これに先立ち「ガステラ」は30日声明で「ガスプロムに対し、契約で合意された支払い方法と供給義務を尊重するよう繰り返し要請していたが、むだだった」としています。
ロシアは4月、ポーランドとブルガリアへの天然ガスの供給を停止したほか、5月にはNATO=北大西洋条約機構に加盟申請したフィンランドへの供給も停止していて、制裁などへの報復とみられる動きを強めています。

マリウポリの港からロシアに向け金属製品積んだ船

ウクライナ東部の要衝マリウポリの港から、ロシア軍が現地を掌握して以降、初めてとなる船がロシアに向けて出港したと、ドネツク州の親ロシア派の武装勢力の指導者プシリン氏が31日SNSに投稿しました。

それによりますと、船は2500トンの金属製品を積んでいて、31日にマリウポリの港を出て、160キロほど離れたロシア南部のロストフ州に向かったとしています。

プシリン氏は、マリウポリの港はアゾフ海最大で冬でも利用できると強調したうえで「港の再開は復興と経済成長につながると確信している」と主張し、ロシアの支配下で復興を進めているとアピールするねらいもあるとみられます。

これに先立ち、ウクライナ側はロシアが占領した土地から略奪した大量の金属を運ぼうとしていると強く非難しています。

肥料価格多くの種類で過去最高 ウクライナへの軍事侵攻影響

ロシアによるウクライナへの軍事侵攻などの影響を受けてことし10月までの肥料の価格が多くの種類で過去最高になります。

全農=全国農業協同組合連合会は来月から10月までの肥料の各都道府県の組織に卸す価格を31日発表しました。

それによりますと、化学肥料のうち、▽輸入された尿素は前の期である去年11月から5月に比べて94%の値上げ、▽塩化カリウムは80%値上げします。

▽また、窒素、リン酸、カリをすべて含む複合肥料のうち、価格指標となっている3つを15%ずつ含む製品は、55%値上げすることになりました。

多くの種類で価格は2005年以降、過去最高だということです。

値上げの理由について全農では▽世界的な穀物需要の高まりで肥料の需要が増えていること、▽ロシアのウクライナへの軍事侵攻をうけて、尿素や塩化カリウムの生産国であるロシアからの供給が滞っていること、さらに▽中国が去年10月から尿素など肥料の輸出制限をかけている影響などをあげています。

塩化カリウムはロシアとベラルーシが世界の輸出量のおよそ4割を占めており、軍事侵攻で輸入を取りやめる動きが世界で広がり、価格が高騰しています。

全農は、生産者に対して堆肥などの活用を推進していく考えです。

ウクライナから日本に避難 1138人(29日時点)

出入国在留管理庁によりますと、ウクライナから日本に避難した人たちは29日時点で1138人に上っています。

内訳は
▽先月5日に政府専用機で避難してきた人が20人、
▽政府が座席を借り上げた民間の航空機で避難してきた人が合わせて102人、
▽そのほかの手段で避難してきた人が1016人です。

男女別では
▽男性が284人、
▽女性が854人で
年代別では
▽18歳未満が263人、
▽61歳以上が167人です。

入国日を月別に見ると
▽3月が351人、
▽4月が471人
▽5月が316人です。

このうち少なくとも15人はすでに日本から出国しているということです。

政府は避難してきた人たちに90日間の短期滞在を認める在留資格を付与し、本人が希望すれば、就労が可能で1年間滞在できる「特定活動」の在留資格に変更することができます。

この在留資格に変更すると、住民登録をして、国民健康保険に加入したり、銀行口座を開設したりすることができ、出入国在留管理庁は今月29日時点で794人の変更を認めたということです。

また、29日までに3人が難民申請を行ったということです。

政府はウクライナから避難した人たちのうち、日本に親族などの受け入れ先がない人については、一時的な滞在先としてホテルを確保し、受け入れ先となる自治体や企業などを探していて、これまでに10世帯20人が東京や京都の自治体などで受け入れが決まったということです。

避難生活の長期化が予想される中、言葉や就労、教育などについて、それぞれのニーズに応じた支援が求められています。

日本貿易会新会長 ロシアでの石油や天然ガス開発“権益維持へ”

大手商社などで作る日本貿易会の新しい会長に就任した國分文也氏が会見し、商社が参画しているロシアでの石油や天然ガスの開発プロジェクトについて、政府の方針に沿って権益を維持していく考えを強調しました。

日本貿易会は31日づけで、三菱商事出身の小林健 前会長の後任として、丸紅会長の國分文也氏が新しいトップに就任し、記者会見を行いました。

この中で國分会長は、ウクライナへの軍事侵攻を続けるロシアへの追加制裁として、EU=ヨーロッパ連合が30日の首脳会議で、ロシア産の石油の輸入を禁止することで合意したことについて、「ロシアからのエネルギー依存を脱却していく流れは欧米や日本などG7を中心に共通して取り組む流れであり、今回の合意を評価したい」と述べました。

その一方で國分会長は、ロシアで進められている「サハリン1」や「サハリン2」など石油や天然ガスの開発プロジェクトに商社が参画していることについては、「日本のエネルギー安全保障の観点から権益は基本的に守るというのが、政府の明確な方針だ。民間としても政府と連携し、権益についてはしっかり役割を果たしていく」としたうえで、政府の方針に沿って、権益を維持していく考えを強調しました。

南オセチア ロシアへ編入賛否問う住民投票 協議終了まで実施せず

ロシアの隣国ジョージアからの分離独立を主張する南オセチアで、ことし7月に予定されていたロシアへの編入の賛否を問う住民投票について、新たに就任したトップは30日、ロシアとの協議が終わるまで実施しない方針を明らかにしました。

南オセチアでは、これまでトップだったビビロフ氏が、ロシアへの編入の賛否を問う住民投票を7月17日に実施する政令に署名していました。

しかし、今月行われた南オセチアのトップを決める決選投票の結果、トップに就任したガグロエフ氏は30日「一方的な住民投票実施の決定は認められない」として、ロシア側と協議が終わるまで住民投票は実施しないとする政令に署名し、中止されることになりました。

ジョージア政府はこれまで南オセチアの住民投票について「違法で、法的拘束力はない」と非難してきました。

ゼレンスキー大統領 食料問題 「ロシアが意図的に」

ウクライナのゼレンスキー大統領は30日に公開したビデオ演説で、ロシアが黒海の港を封鎖し、アゾフ海の沿岸の一部を掌握したことでウクライナから2200万トンの穀物が輸出できなくなっているとしたうえで「封鎖は、世界規模で不安定な状況を生み出し、さまざまな国で食料が高騰している。アフリカやアジア、ヨーロッパの一部の国では飢餓のおそれがある」と述べて、ロシアによる港の封鎖が世界を脅かしていると訴えました。

そして「これは新たな移民危機に発展する可能性もある。ロシアは意図的に問題を引き起こしており、アジアやアフリカの人たちを単なる交渉の手段として使っている」と述べ、欧米による制裁解除を条件に、海上封鎖の解除を示唆したプーチン政権を批判しました。

さらに「ロシアの侵略者は少なくとも50万トンの穀物を盗み、違法に販売しようとしている」と述べ、ロシア側がウクライナの穀物を持ち出していると非難しました。

EU 船で輸送されるロシア産石油に限り禁輸で合意

EU=ヨーロッパ連合は30日の首脳会議で、加盟国の立場が分かれていたロシア産の石油の輸入禁止について、対象を当面は、船で輸送される石油に限ることで合意しました。
EUは30日から2日間の日程でベルギーのブリュッセルで首脳会議を開いていて、初日はロシアに対する追加制裁として検討してきたロシア産の石油の輸入を年内に禁止する案などについて協議しました。
石油の輸入禁止をめぐっては、パイプラインでロシアから石油を調達しているハンガリーが、自国のエネルギー確保が脅かされるとして強く反対してきましたが、協議の結果、輸入禁止の対象を当面はパイプラインではなく船で輸送される石油に限ることで合意したということです。

バイデン大統領「ウクライナへ長距離ロケットシステム供与ない」

ウクライナへの軍事支援をめぐり、アメリカのバイデン大統領は30日、記者団から「長距離ロケットシステムをウクライナに供与するのか」と質問されたのに対し「ロシアに到達するロケットシステムを供与することはない」と答えました。
ウクライナ東部では、ロシア軍とウクライナ軍による激しい砲撃戦が続いていて、ウクライナ側は射程300キロのミサイルも発射できる多連装ロケットシステムなどの供与を求めていました。
バイデン政権は、ウクライナへの軍事支援を相次いで打ち出していますが、どのような武器を供与するのかをめぐっては、ロシアを過度に刺激しないよう慎重に見極めているとみられます。

トルコ大統領がロシアとウクライナの両大統領と相次ぎ電話会談

トルコ大統領府によりますとプーチン大統領との電話会談では「トルコは両国に国連を交えてイスタンブールで会談を開き、監視メカニズムの役割を果たす準備がある」と述べ、停戦の合意に向けて仲介に意欲を示しました。
一方、ロシア大統領府によりますとプーチン大統領は、「トルコとの協力のもと、ウクライナ南部に面する黒海やアゾフ海の港から穀物の輸出も含め、海上輸送を促進する用意がある」と伝えたということです。
ただ、エルドアン大統領が提案した国連も交えた会談について、プーチン大統領の反応は明らかになっていません。
また、エルドアン大統領は、ゼレンスキー大統領との電話会談では「ウクライナの農産物を輸出するための航路を確保することがとりわけ重要だ。これからも仲介役を含め必要とされるあらゆる支援をする準備がある」と述べました。エルドアン大統領としては、ロシアとウクライナの停戦合意を実現したい考えですが、交渉が再開するかは不透明な状況です。

「追加制裁を」ゼレンスキー大統領 EUの会議にビデオメッセージ

ウクライナのゼレンスキー大統領は30日、EU=ヨーロッパ連合の首脳会議に合わせてビデオメッセージを寄せ「ロシアの侵攻に対して、より強い制裁が必要であることは明白だ」と述べ、ロシアへの追加制裁を速やかに行うよう求めました。
そのうえで、石油の輸入禁止をめぐってはハンガリーが強く反対するなどEU加盟国に立場の違いがあることについて「ヨーロッパでのすべての争いを終わらせなければならない。それはロシアによるヨーロッパ全体への圧力を強めることにつながるだけだ。石油を制裁に含めるべきだ」と述べ、制裁の実現に向けてEU加盟国が一致した対応をとるよう呼びかけました。

仏の民放テレビ局 “取材中のカメラマンが砲撃巻き込まれ死亡”

フランスの民放テレビ局、BFMテレビによりますと、亡くなったのはカメラマンのフレデリック・ルクレールイモフさん(32)でウクライナ東部のセベロドネツクから市民を避難させる人道支援活動を取材していたところ、乗っていた車が砲撃に巻き込まれ、同行していた記者も軽いけがをしたということです。
マクロン大統領はツイッターに「家族や友人、同僚と悲しみを分かち合い、哀悼の意を表する。紛争地域での困難な取材活動を行う人々をフランスが無条件に支援することを改めて表明する」と投稿しました。

ウクライナの公共放送 「セベロドネツクの郊外で市街戦」

ウクライナの公共放送は、動画投稿サイトユーチューブで現地の状況を国内外に英語で発信していて、30日に公開した動画では、ウクライナ東部や南部で攻撃により住民が犠牲になっていると伝えています。
このうち、東部ルハンシク州ではセベロドネツクの郊外にロシア軍の兵士が入ってきて激しい市街戦となっているほか、住宅地が砲撃を受け2人が死亡し、5人がけがをしたとしています。また、東部のドネツク州でも住宅が攻撃を受け、3人が死亡したほか、南部のミコライウ州でもロシア軍の攻撃で町の中心部が破壊され、1人が死亡し3人がけがをしたとしています。

オランダとデンマークの企業 “ロシアからのガス供給停止も”

オランダの大手ガス会社「ガステラ」は30日、ロシアからの天然ガスの供給が31日から停止されるという見通しを明らかにしました。天然ガスの購入代金をロシアの通貨ルーブルで支払うことを拒否したところ、ロシア最大の政府系ガス会社「ガスプロム」から、供給を停止すると告げられたということです。
声明では「ガスプロムに対し、契約で合意された支払い方法と供給義務を尊重するよう繰り返し要請していたがむだだった」としています。ほかの企業からの調達を検討しているものの、今後の需給にどのような影響があるかは不明だということです。

また、デンマークのエネルギー大手「オーステッド」も30日、ルーブルでの支払いを拒否し続けているため、今後、ガスプロムからのガスの供給が停止されるおそれがあると発表しました。
事態を想定してデンマークやドイツなどにある貯蔵設備に必要な天然ガスを確保しているとしたうえで「供給停止は契約違反だ」としています。
ロシアは、先月にポーランドとブルガリアへの天然ガスの供給を停止したほか、今月にはNATO=北大西洋条約機構に加盟申請したフィンランドへの供給も停止していて、制裁などへの報復とみられる動きを強めています。

“侵攻開始から子ども262人含む少なくとも市民4074人死亡”

国連人権高等弁務官事務所は、ロシアによる軍事侵攻が始まったことし2月24日から5月29日までに、ウクライナで少なくとも4074人の市民が死亡したと発表しました。このうち262人は子どもだとしています。

地域別では東部のドネツク州とルハンシク州で2307人、キーウ州や東部のハルキウ州などそのほかの地域で1767人の死亡が確認されているということです。
また、けがをした市民は4826人に上るとしています。ただ国連人権高等弁務官事務所は、激しい戦闘が続いた東部のマリウポリなどでの死傷者については、まだ確認が取れていないなどとして、実際の死傷者の数はこれを大きく上回るという見方を示しています。

UNHCR “ウクライナから国外に避難した人の数は約680万人”

UNHCR=国連難民高等弁務官事務所のまとめによりますと、ロシア軍の侵攻を受けてウクライナから国外に避難した人の数は、29日の時点でおよそ680万人となっています。
避難先別には、ポーランドがおよそ362万人、ルーマニアがおよそ98万人、ハンガリーがおよそ68万人、モルドバがおよそ47万人などとなっています。また、ロシアに避難した人はおよそ97万人となっています。
一方、国外に逃れたあと、戦況を見ながらウクライナに帰国する人の動きも出ています。