[ニューヨーク 7日 ロイター] – ニューヨーク外為市場では、米物価上昇はピークを付けた可能性があるとの期待から米株価が上昇に転じる中、当初上昇していたドル指数が下げに転じた。ただドルは円に対しては約20年ぶりの高値を付けた。

米株価は小売大手ターゲットの業績見通し下方修正を受け、当初は軟調だったが、下方修正は物価圧力緩和の兆候との見方が広まるにつれ、持ち直した。

米債券市場でも、ターゲットが過剰在庫について警告し、値下げを行うと発表したことで、インフレは最悪期を脱したとの見方が浮上。長期債利回りが急低下した。

グロバルト・インベストメンツ(ジョージア州)のシニア・ポートフォリオ・マネジャー、トーマス・マーティン氏は「連邦準備理事会(FRB)は、金融政策運営にあたり予告したことをほぼ完全に実行に移すとの見方が織り込まれているが、こうした中でインフレがピークを付けた可能性があるとの見方が台頭した」と述べた。

市場では10日に発表される5月の米消費者物価指数(CPI)が注目されている。

主要6通貨に対するドル指数は0.176%安の102.270。

ユーロは0.14%高の1.0709ドル。

円は対ドルで132.99円と、2002年4月3日以来の安値を更新。日米の金融政策の乖離を背景にドルは対円で上昇傾向にある。

日銀の黒田東彦総裁は7日、為替については、安定的な円安は日本経済にプラスとの見解を維持しつつも、家計や地方の中小サービス業にはマイナスだと指摘した。

英ポンドは0.53%高の1.2596ドル。英与党保守党が6日に実施したジョンソン党首に対する信任投票で、信任が過半数を超え、ジョンソン氏の続投が確定した。

豪ドルは対米ドルで0.65%高。オーストラリア準備銀行(中央銀行)は7日、オフィシャルキャッシュレートを予想より大幅な50ベーシスポイント(bp)引き上げ、0.85%とし、インフレ抑制に一段の引き締めが必要となる可能性を示唆した。

市場では、9日の欧州中央銀行(ECB)理事会と、来週14─15日の米連邦公開市場委員会(FOMC)が注目されている。

暗号資産(仮想通貨)のビットコインは3.03%安の3万0489.49ドル。

ドル/円 NY終値 132.58/132.61

始値 132.85

高値 132.89

安値 132.33

ユーロ/ドル NY終値 1.0699/1.0703

始値 1.0672

高値 1.0714

安値 1.0653