[ワシントン 27日 ロイター] – ニューヨーク外為市場では、ドルが主要通貨に対し軟調となった。米国の物価上昇が鈍化する中、積極的な利上げが実施されるとの観測を見直す動きが出ている。

主要6通貨に対するドル指数は0.12%安の103.9。米連邦準備理事会(FRB)がインフレに対応するために積極的な利上げを行うとの観測を背景に、ドル指数は今月に入り105.79と、2002年終盤以来の高値を付けていた。

フェデラル・ファンド(FF)金利先物が現在織り込む来年3月時点の主要政策金利水準の予測は3.5%。2023年には4%近辺になるとの予測から低下している。

バノックバーン・グローバル・フォレックスのチーフマーケットストラテジスト、マーク・チャンドラー氏は「きょうは地固めの動きが出た」とし、「一段の経済指標の発表を待っている状態だ」と述べた。

欧州中央銀行(ECB)の利上げ観測を背景に、ユーロは上昇。OANDAのシニア市場アナリスト、エドワード・モヤ氏は「ECBの利上げ開始に対する期待が高まっている」とし、「ハト派的な利上げのリスクは薄れつつある」との見方を示した。

ユーロ は0.27%高の1.0587ドル。

市場はポルトガルのシントラで始まったECBの年次フォーラムに注目。ラガルドECB総裁のほか、米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長も出席しており、将来的な政策運営の手がかりが示されるか注目されている。

商品(コモディティー)関連通貨は下落。中国国家統計局が発表した5月の工業部門企業利益が前年同月比6.5%減少したことが重しになった。

ロシア通貨ルーブルも下落。ロシアの外貨建て国債がデフォルト(債務不履行)に陥ったとの見方が出ている。対外債務の不履行はロシア革命以降で初めてになるが、ロシアは否定している。

暗号資産(仮想通貨)のビットコインは1.7%安の2万0810.34ドル。今月に入り1万7588.88ドルまで下落していた。

ドル/円 NY終値 135.43/135.46

始値 135.21

高値 135.54

安値 135.02

ユーロ/ドル NY終値 1.0583/1.0585

始値 1.0583

高値 1.0614

安値 1.0555