[ロンドン 6日 ロイター] – ロシアのメドベージェフ安全保障会議副議長(前大統領)は6日、ウクライナ戦争を理由にロシアのような核保有大国を制裁しようとする西側諸国の試みは人類を危険にさらす恐れがあると米国に警告した。

メドベージェフ氏は、先住民の殺りくや日本への原爆投下、ベトナムやアフガニスタンなどでの多くの戦争を例示し、米国は世界中で血を流した帝国だと表現。ウクライナでのロシアの動きを調査するために裁判所や法廷を使うのは無駄で、世界的な荒廃を招く恐れがあると訴えた。

メドベージェフ氏は対話アプリ「テレグラム」で「核開発能力が最大級の国を制裁する考えは非常識だ。そして人類の存続を脅かす恐れがある」と語った。

米科学者連盟(FAS)によると、米国とロシアはともに核弾頭を約4000個保有し、両国で世界全体の約9割を占めている。

2008―12年にロシア大統領を務めたメドベージェフ氏は西側諸国との関係改善を望む改革者として振る舞っていたが、ウクライナ侵攻以降はロシア大統領府の声高な強硬派となっている。

メドベージェフ氏は「米国の歴史そのものが、先住民の征服に始まる血みどろの壊滅戦だ」とも言及した。