米航空宇宙局(NASA)は11日と12日に「ジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡(James Webb Space Telescope)」で撮影した一連の画像を公開した。A F P通信によると11日に発表した写真は130億年前の宇宙初期の姿、12日分は地球から7600光年離れたイータカリーナ星雲(Carina Nebula)の「山」や「谷」を捉えたものだという。12日発表分の1千枚には峻厳な山脈のように連なるガスの塊の背後に、真っ青な青空と星が広がっている。N A S Aはこれを「宇宙の崖」と呼んでいるようだ。これは実物ではない。N A S Aが宇宙望遠鏡から送られてきたデータをもとに修正したものだろう。それにしても不思議な世界だ。膨張宇宙の遥かかなたはどうなっているのだろうか。空想というか夢想が膨らむ。多分、真っ暗闇に星の光だけが広がっている世界。この宇宙に果てはあるのだろうか。無限の先は何?溶けない謎が頭を駆けめぐる。

ウキペディアによるとジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡は、アメリカ航空宇宙局が中心となって開発を行っている赤外線観測用宇宙望遠鏡とある。ハッブル宇宙望遠鏡の後継機だ。2021年12月25日に打ち上げられた。名称はNASAの第2代長官ジェイムズ・E・ウェッブにちなんで命名されたとある。さまざまな準備をへて撮影に成功したのだろう。その実績の第1弾というわけだ。メディアの情報だけでは詳しい様子が分からない。おそらく、どのメディアの記者も正しく理解していないのだろう。写真を見ながら天空に広がる宇宙に想いを馳せるのもいいだろう。最近読んだ本のタイトルは「宇宙はどうして始まったのか」(松原隆彦著、光文社新書)。第1章の書き出しは「宇宙は今から約138億年前、『ビックバン宇宙』という状態から始まった」とある。そう言われると素人はすぐに聞きたくなる。「始まる前はなどうなっていたの」。

「宇宙は無から始まったと考えられている」、著者は一つの仮説を紹介する。「無」ってなに。次から次へと新たな疑問が湧いてくる。それが宇宙だ。N A S Aが発表した写真を見ながら宇宙に想いを巡らせてみるのもいい。頭の体操になる。