17日付でロイターは次のニュースを流している。[キーウ(キエフ)17日 ロイター] – ウクライナのゼレンスキー大統領は17日、バカノフ保安局(SBU)長官とベネディクトワ検事総長の解任を発表した。両機関の多数の職員がロシアに協力していたとみられることが理由。ベネディクトワ氏はロシアの戦争犯罪の捜査で主要な役割を果たしてきた。ゼレンスキー氏は、国家反逆やロシアへの協力の疑いで検察・法執行機関の職員に対し651件の捜査が行われているとし、SBUと検察の職員60人以上が現在ロシア占領地でウクライナに敵対的な活動をしていると指摘。「国家安全保障の根幹に対するこうした一連の犯罪は関連機関のリーダーに極めて深刻な疑問を突き付ける」と解任理由を説明した。これは大変なニュースだ。だが、きのう、きょうと続報がない。ネットではウクライナでクーデター説まで取り沙汰されている。

今朝はゼレンスキー大統領夫人のオレナ・ゼレンスカ氏が19日、ホワイトハウスを訪問しバイデン米大統領夫妻の歓待を受けた、とのニュースが配信されている。ホワイトハウスで大統領夫妻と写真に収まっている姿が公開された。ウクライナ戦争という過酷な状況が背景にあるが、そんなことは忘れてしまいそうな平和な光景だ。クーデターの危機に身を晒している大統領夫人とは、とても思えない。ゼレンスキー大統領が解任したSBUのバカノフ長官は幼馴染であり、同大統領の側近だという。ロシアとの戦争の最中に側近を解任すること自体が異常だ。S B Uや検察の職員がロシアの支配下にある地域でロシアに協力していたとすれば、組織のトップとしてその責任を問われるのは当然かも。ロシアはウクライナの政府機関の職員をスパイとして使っていた。これが本当だとすると、トップを解任する以外に組織を引き締める効果的な手段がないということだろう。

それにしても戦争というのは異常だ。敵に塩を送る官僚が身内にいる。カネかポストか、はたまた脅迫か・・・。ロシアはあの手この手を使ってウクライナの政府組織に介入しているのだろう。戦争も恐ろしいが、味方が寝返っているのが事実だとすれば、こちらも戦争以上に恐ろしい。これも戦争か。肝心の戦争はこう着状態だ。ウクライナもロシアも消耗戦を強いられている。プーチンはきのうイランを訪問したあと記者団に「和平交渉で『実質的』な合意がまとまっていたが、ウクライナ側に(これを)守る意思が見受けられなかった」と主張した。なんでいまごろ過去の話になるのか。ニュースを見てもわからない。ゼレンスキー大統領が解任したのは停戦推進派という見方もある。戦争の継続は両国にとってメリットがない。西側諸国の中にも停戦派がいる。停戦に反対しているのはゼレンスキー氏とバイデン氏?ウクライナ政権内部で停戦に向けた駆け引きが始まっている?夫人のホワイトハウス訪問もその一環か?解任劇は停戦派と交戦派の戦いの結果?以上は個人的な推測、憶測、邪推の類。