[ワルシャワ 12日 ロイター] – ロシアから中欧に原油を運ぶドルジバ・パイプラインで漏えいが見つかったことを受け、ドイツ政府は12日、パイプラインからの供給は減少しているがまだ十分な量を受けていると発表した。

同パイプラインを運営するポーランドのPERNは11日、変形による漏れを確認したが、破壊工作の形跡は見られないと説明。原因究明と修理に取り組んでいるとした。

ドローンの映像でも、地下パイプラインから漏れ出た油の黒い染みが農地に広がり、消防隊が出動している様子が分かる。

ドイツ経済省の広報担当者はロイターに対し、「現状、ドイツ国内の安全な供給は保証されている」と述べた。首都ベルリンの燃料の9割を供給する東部シュウェットの製油所は、原油は運ばれているが、量は減っていると明らかにした。ドルジバ・パイプラインからの供給が停止した場合の代替手段はほとんどない。

ポーランドのエネルギーインフラ責任者によると、漏れが確認されたのは国内最大の精油所があるプロックの西70キロの場所。ドイツ向けの一部パイプラインが使用できなくなったが、修理に長くかからないという。

ドルジバ・パイプラインは、輸送能力が日量200万バレルで世界最大級。

先月、ロシア産天然ガスを欧州に送る海底パイプライン「ノルドストリーム」で大規模なガス漏れが起きて以来、欧州諸国はエネルギーインフラの安全保障を巡り厳戒態勢にある。欧米とロシアは互いに他方による破壊工作を主張している。