[東京 21日 ロイター] – 日銀の黒田東彦総裁は21日、全国信用組合大会であいさつし、日本経済を巡る不確実性は極めて高く、金融・為替市場の動向や、それが日本経済・物価に与える影響について十分注視する必要があると述べた。その上で、「日銀として日本経済をサポートし、賃金の上昇を伴うかたちで『物価安定の目標』を持続的・安定的に実現できるよう金融緩和を実施していく」と語った。

消費者物価指数(除く生鮮食品、コアCPI)の前年比は、年末にかけてエネルギーや食料品、耐久財などの価格上昇により上昇率を高めた後、それらの押し上げ寄与が減衰し、プラス幅を縮小していくとの予想を示した。

総裁は信用組合を取り巻く環境や課題にも言及した。今後コロナ関連融資の返済が本格化していく中、「最近のエネルギーや原材料価格の上昇がより幅広い業種に影響を及ぼす可能性がある」と指摘。中小企業や個人事業者の実情をよく理解し、寄り添いながら支援を行う信用組合の役割がますます重要になってくる、と述べた。

(杉山健太郎)