[ベイルート 24日 ロイター] – レバノンのシャミ副首相は24日の国内放送で、金融システムの720億ドルの資金不足を穴埋めする同国の計画をもってしても「預金者全員を救うことはできない」と述べ、引き出せない預金者全員に完全に払い戻すのは難しいとの考えを示した。

シャミ氏は5月に内閣が承認した経済復興行程表の立案者。行程表に含まれる幾つかの措置は、国際通貨基金(IMF)と30億ドルの救済支援で最終合意し、資金拠出を得る上での条件となっている。レバノンの金融危機は3年に及び、通貨は急落し、人口の8割超が貧困ラインを下回る。

シャミ氏は、10万ドル超の口座預金者は中央銀行や商業銀行の資産で用意される基金から払い戻されると語った。政府の金を含む外貨準備残高が良くて250億-300億ドルに過ぎないと説明した。

こうした外貨準備の監査を受けることは、IMFが30億ドル供与の条件にしていた。IMFが他に条件にしている銀行秘密法の修正や2022年度予算は最近成立したが、IMFはこの2つとも承認を保留するとの見方が出ている。ほかに議会は肥大化した商業銀行部門を改善する枠組みや資本統制法を承認する必要がまだある。