[17日 ロイター] – 米暗号資産(仮想通貨)交換業者FTXの経営破綻後に再建を任されたジョン・J ・レイ最高経営責任者(CEO)は17日に裁判所に提出した書類で、資金流用および不適切な会計処理が横行し、「完全な」企業統治不全に陥っていたと報告した。

FTXは11日に米連邦破産法11条(日本の民事再生法に相当)の適用を申請。レイ氏はデラウェア州の破産裁判所への書類で「私のキャリアにおいて、これほどまでの企業統治の完全な失敗、信頼できる財務情報の欠如を見たことはない」と強調した。

FTX創業者のサム・バンクマンフリード氏は100億ドルの顧客資金を、投資に失敗した自身のヘッジファンド、アラメダ・リサーチに移したとロイターはこれまでに報じている。

提出書類によると、アラメダの関連会社はFTXの関連会社に23億ドル融資し、バンクマンフリード氏と共同創業者の2人がアラメダから累計で16億ドルの融資を受けていた。そのような「関係者間」の取引は他にもあったという。バンクマンフリード氏などからコメントは取れていない。

FTXの従業員や顧問らはまた、会社の資金を住宅購入など個人目的に使っていたが、会社からの融資として文書化されていないものもあったという。

従業員はオンラインの「チャット」で請求書を提出し、上司が絵文字を使って承認するなど、適切な監督が欠如していたと指摘。レイ氏が確認した財務報告書のほとんどは監査を受けておらず、監査済みのものもメタバース「ディセントラランド」上の会計事務所が手掛けたため、「かなりの懸念」があるとした。