[東京 1日 ロイター] – ホンダは1日、2020年代後半をめどに、高速道路走行時に法定速度以下のどんな速度で走っても自動運転機能「レベル3」が安全に作動する技術の確立を目指すと発表した。現在レベル3の機能を作動できるのは高速道路での渋滞時のみで、速度の制約もある。作動条件を広げ、ホンダ車による交通事故死ゼロの実現を図る。

「レベル3」は、一定の条件下でシステムがドライバーの代わりにアクセルやブレーキ、ハンドルを操作する、条件付きの自動運転機能。ドライバーは前方から視線をそらすことができ、ハンドルからも手を離すことができるため、運転中に動画を見たりスマートフォンを操作できる。

ホンダは21年、世界で初めて「レベル3」の機能を搭載した車を発売したが、その機能は高速道路の渋滞時かつ時速約30キロメートル以下でないと作動せず、作動開始後も時速約50キロメートル以下で走行する必要がある。

今後は渋滞時だけでなく、高速道路を走行中ならいつでも機能を作動でき、かつ、日本の法定速度の上限である時速120キロメートル以下であれば、どの速度で走っても機能を使えるようにする。作動条件を広げた「レベル3」機能搭載車の販売時期など商品化に関する詳細は明らかにしていない。

同社は50年に自社の四輪車と二輪車の交通事故による死者数ゼロを目標に掲げており、「レベル3」の作動条件拡大は目標達成に向けた一環となる。

エンジニアの四竃(しかま)真人氏は「『レベル3』は事故を減らす技術の一部」と指摘。「レベル3」の技術を追求することは「ぶつからない車」になることであり、「事故減少に貢献できると考えている」と話した。