[サンフランシスコ 30日 ロイター] – エーザイは米製薬大手・バイオジェンと共同開発するアルツハイマー病治療薬「レカネマブ」について、初期症状のある人を対象にした臨床試験で認知機能の低下を遅らせる効果が確認されたことを受け、米国、欧州、日本で全面的な承認の獲得を目指す計画だ。来年には、患者に提供できる可能性がある。

ただ、65歳以上が対象の米政府のメディケア(高齢者医療保険)制度を含む保険適用や、副作用、コストなどの点で不確実性があるため、どの程度広く使用されるかはまだ不明。

臨床試験ではレカネマブ投与群が偽薬(プラセボ)投与群と比較して27%の症状悪化抑制を示したことが、29日に公表された新たなデータで確認された。ただ、脳浮腫や脳出血など副作用のリスクがあることも示された。

両社は同薬について、すでに迅速承認制度に基づき米食品医薬品局(FDA)に申請を行っており、FDAは来年1月6日までに承認するかどうかを決定する見通し。

エーザイの米国部門最高経営責任者(CEO)、Ivan Cheung氏はインタビューで「新たなデータにより、その決定から数日以内に全面的な承認を申請することができるだろう」と述べた。

グッゲンハイム・パートナーズのアナリスト、Yatin Suneja氏は、レカネマブが2023年下期に米国で全面的に承認されると予想。メディケアは、正式な承認を待ってから適用条件を決定するだろうと述べた。