3日、ウクライナ東部ドネツク州バフムト近郊で砲撃を行う同国軍車両(ロイター時事)
3日、ウクライナ東部ドネツク州バフムト近郊で砲撃を行う同国軍車両(ロイター時事)

 【ワルシャワ時事】ウクライナ軍特殊部隊は3日、11月に奪還した南部ヘルソン市の対岸に橋頭堡(きょうとうほ)を確保したと明らかにした。ドニエプル川東岸にあるとされる塔にウクライナの国旗を掲げた映像を公開した。一方、ゼレンスキー大統領は、東部戦線で激しい戦闘が続いていると語った。

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 ウクライナ軍特殊部隊は通信アプリ「テレグラム」で「長い間、慎重にこの任務の準備を進めてきた」と説明。「ここが東岸地域を奪還するための跳躍台になる」と強調した。

 ドニエプル川西岸にあるヘルソン市から撤退したロシア軍は、東岸に強固な防衛線を敷き、態勢立て直しを図っていた。米シンクタンクの戦争研究所は「事実であれば、ウクライナ軍の東岸での軍事作戦に道を開くことになる」と分析した。

 東部情勢については、ゼレンスキー氏が3日のビデオ演説で、ドネツク州バフムトとソレダルで「最も激しく、最も苦痛を伴う」戦いが続いていると指摘した。ロシア軍の猛攻にもかかわらず、ウクライナ軍は戦線を維持しているという。