[ニューヨーク 13日 ロイター] – イーロン・マスク氏のツイッター買収に130億ドルを融資した銀行団の一部は今四半期に債権の評価損を計上する構えだが、収益への大きな打撃は回避する可能性が高い。事情に詳しい関係者3人が明らかにした。

買収資金の貸し手は通常、債権を投資家に転売するが、ツイッター買収に関与したモルガン・スタンレーなどの金融機関が現在のリスク警戒度が高い市場環境下で転売を試みれば、数十億ドルの損失を出す可能性があると関係者は指摘する。

これに加え、ツイッターはマスク氏のコンテンツ管理方針に関する懸念から広告主の離反が相次ぎ、売上高のほか負債の利払い能力が打撃を受けている。

銀行団は決算時に融資を時価評価し、評価損に見合う引当金を積む必要がある。ただ、関係筋によると、債権の転売で価値を決定することができないため、どれだけの減損処理を行うかは各行の判断に委ねられる。

債権のうち100億ドルはツイッターの資産を担保としており、関係筋1人によると、価値を最大20%引き下げる必要が生じる可能性がある。ただ、関係7行の大半は収益への大きな打撃は回避する方法で処理できるとみられる。

別の関係筋は、一部の銀行は有担保債権を5─10%減損処理するにとどめる可能性があると予想した。

業界筋によると、残る無担保債権30億ドルは7行により大きな損失をもたらす可能性がある。

銀行団にはバンク・オブ・アメリカ 、バークレイズ 、三菱UFJフィナンシャル・グループ 、BNPパリバ 、みずほフィナンシャルグループ 、ソシエテジェネラルも加わっている。