- GPIFなど年内に大規模な株売りか、中国コロナ死者数巡る疑問
- 物価目標の柔軟化検討か、EUガス価格上限引き下げも、レンジ相場
サッカーのワールドカップ(W杯)で3度目の優勝を果たしたアルゼンチン。過去には1978年と86年に優勝しています。今年を含めていずれも変わらないのは、すさまじいインフレ。同国中銀のデータによれば、自国開催だった78年当時のインフレ率は平均176%、ディエゴ・マラドーナ選手が活躍した86年は同116%でした。今年もエコノミスト予想によると、年率99%と3桁が視野に入っており、厳しい現実も一方にはあります。以下は一日を始めるにあたって押さえておきたい5本のニュース。
年内に最大1000億ドル株売り
複数の世界最大級ファンドが、年内に合わせて最大1000億ドル(約13兆6700億円)相当の株式を売る見通しだ。株式相場は先週、週間ベースで下落して終えたものの、10-12月(第4四半期)ではプラス圏を維持している。その結果、他の資産クラスと比べた株式のバリューが高まっており、資産配分ルールに厳密に従う運用者は目標を満たすため株売りを余儀なくされる。JPモルガンの試算によると、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)は資産配分目標に戻すため170億ドル相当の株式売却が必要になる。
報告はゼロだが
中国政府が新型コロナウイルス感染者の死亡をここ2週間ゼロとする一方で、メディアによると、北京の葬儀場や火葬場に運ばれる死者の数が増加している。北京のある火葬場の従業員は英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)に対し、今月14日に少なくともコロナ感染の死者30人以上を火葬にしたと証言。ロイター通信によれば、北京の葬儀場は能力を超えた状態に陥っている。中国当局は今月4日以来、コロナ感染者の死亡を報告していない。上海市は19日からほとんどのクラスを対象に学校を再び休校にする。
2%目標を柔軟化か
岸田政権が、政府と日本銀行の役割を定めた共同声明を初めて改定する方針を固めたと、共同通信が報じた。2%の物価上昇目標の柔軟化を検討するとしており、日銀が黒田東彦総裁の下で進めてきた大規模金融緩和の修正につながる可能性があるという。報道によると「できるだけ早期に実現する」としている2%の物価目標の柔軟化を検討し、岸田文雄首相が来年4月9日に就任する次期総裁と協議して内容を決める。共同声明の改定となれば、2013年の公表以来初めて。
ガス価格上限で打開探る
欧州連合(EU)加盟国は19日、天然ガス価格が現水準から大幅に上昇した場合に発動する上限を、当初提案より約3分の1低く設定することについて話し合う。EU議長国を務めるチェコは、欧州委員会が先月提案したメガワット時当たり275ユーロ(約4万円)の上限を188ユーロに引き下げることを提案した。加盟国間で深い溝があるガス価格の上限設定を巡り、打開の道を探る。
最長3年はレンジ相場
ヘッジファンド運用会社ペコニック・パートナーズの最高投資責任者、ウィリアム・ハーニッシュ氏は、S&P500種株価指数が今後1年半から3年の間、3500-4400のレンジにとどまるとの見通しを示した。先週末16日の終値は3852.36。株式相場は上昇する局面もあるかもしれないが、金利の高止まりが長期化し、企業収益が減少、株価に割安感がないという現実に直面すれば、上昇は勢いを失うと指摘した。同氏は今年29%のリターンを上げている。
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