[ドバイ 17日 ロイター] – イラン中央銀行のサレハバディ総裁は17日、イラン通貨リアルが過去最安値まで下落したことについて、反政府デモが一因だと非難した。

総裁は米国の制裁に加えて「過去2カ月の出来事(デモ)」がリアルの記録的下落につながったと認めた一方、通貨下支えのためにドルの市場注入が可能であることを示唆した。

イランの人々が貯蓄の安全な避難先を求めてドルや金の購入を急ぐ中、リアルは17日、対ドルで最安値を更新した。外為サイトのBonbast.comによると、17日の非公式市場で1ドル=39万5600リアル。前日は38万6800リアルだった。

3カ月前に全国的な抗議デモが勃発してから、リアル相場は20%近く下落している。

一方、イラン当局は17日、デモへの支持を表明していた著名女優のタラネ・アリドゥスティさんを拘束した。

アリドゥスティさんは2016年にアカデミー賞外国語映画賞を受賞した「セールスマン」の主演女優。デモ隊の主要スローガンである「女性、生命、自由」と書かれた紙を手に、頭にスカーフを巻かない姿の写真を投稿した後に拘束された。

国営イラン通信(IRNA)は、司法当局の命令により逮捕されたと報じた。当局の声明によると、反政府デモに関連して複数の著名人が召喚され、何人かが拘束されている。