[ワシントン 19日 ロイター] – 2021年1月6日に起きた米連邦議会議事堂襲撃を調査する下院特別委員会は19日、暴動の扇動などでトランプ前大統領を刑事訴追するよう司法省に勧告することを決議した。

米議会が大統領経験者の刑事訴追を求める決議をするのは初めて。同委員会の勧告に法的拘束力はないが、トランプ氏を巡っては機密文書持ち出しや20年大統領選の結果を覆そうとした疑惑を巡る捜査を特別検察官が監督している。

特別委は、議会手続きの妨害、米国に対する不正の共謀、虚偽の供述、暴動のほう助・扇動の4つの容疑でトランプ氏を訴追するよう求めた。特別委のジェイミー・ラスキン下院議員(民主党)は「『反乱』は米国の権威に対する反抗であり、憲法そのものに対する重大な連邦犯罪だ」と指摘した。

司法省はコメントを控えた。

1年半にわたる調査で1000人以上の関係者から聞き取りを行い、数十万点の資料を集めてきた特別委は、19日に最後の公聴会を開いた。

ベニー・トンプソン委員長は、トランプ氏が大統領選で不正があったとの誤った主張を繰り返すことで民主主義体制への信頼を損ねたと批判。「信頼が壊れれば民主主義も壊れる。ドナルド・トランプがその信頼を壊した」と述べた。

トランプ氏は自身が立ち上げたソーシャルメディア(SNS)「トゥルース・ソーシャル」への投稿で、仮に訴追された場合、下院による昨年の弾劾決議に続き2回にわたり不当に訴追されることになると主張した。