7日、ウクライナ東部バフムトで、ロシアの攻撃によって上がる黒煙(ロイター時事)
7日、ウクライナ東部バフムトで、ロシアの攻撃によって上がる黒煙(ロイター時事)

     【ロンドン時事】ウクライナ侵攻を続けるロシアのプーチン政権が宣言した一方的「停戦」は、8日午前0時(日本時間同日午前6時)の期限を過ぎた。6日からの期間中も攻撃は続き、停戦は「名ばかり」(英BBC放送)のものに。AFP通信によれば、ウクライナ大統領府は8日、過去24時間の間に東部ドネツク州などでロシアの攻撃により計2人が死亡したと明らかにした。

     ウクライナでは7日、各家庭で東方正教のクリスマスが祝われたが、男性の多くは兵士として前線にとどまっているため「ささやかな」祝祭だったと伝えられる。ゼレンスキー大統領は同日夜のビデオ演説で、国民に「われわれの気高い独立のため、祝意を表したい。メリークリスマス」とメッセージを送った。

     一方、戦闘で劣勢に立たされるロシアは、年明けから兵力を増強し、形勢挽回を狙っているとされる。英紙ガーディアンによると、ウクライナ国防省情報総局幹部は、ロシア政府が今月中に50万人規模の予備役動員を計画していると指摘。春から夏にかけてウクライナ南東部で見込まれる大規模攻勢に向けた準備とみられている。

     プーチン政権は昨秋に30万人の部分動員令を出しており、実際に動員が始まれば「第2弾」となる。ただ、昨秋は招集に際して徴兵逃れなど大きな混乱が起きたため、ロシア当局はこれまでのところ再動員を否定している。

     ロイター通信は8日、ベラルーシ国営テレビの報道を基に、ロシアと同盟国ベラルーシが合同軍事訓練の体制強化に乗り出したと伝えた。ベラルーシを巡っては、ロシアがウクライナ北部への攻撃拠点に利用するとの臆測が浮上している。