[香港/北京 8日 ロイター] – 中国は8日、新型コロナウイルス感染対策の入国時の隔離義務を撤廃した。香港からの入境時の隔離も廃止し、昨年12月から段階的に緩和してきたゼロコロナ政策が事実上終了した。

香港国際空港では、北京、天津、アモイなどの本土行き便のチェックインカウンターも長い行列ができた。香港メディアは、数千人が本土に渡航したとの推定を伝えた。

投資家は、往来の再開で経済が活性化することを期待している。

7日からは春節(旧正月)を挟んだ40日間の特別輸送体制期間「春運」が始まった。今年の旅客数は昨年の約2倍ののべ約20億人、2019年の7割程度に回復すると見込まれている。

また、海外旅行の再開も予想され、タイやインドネシアなどの国はインバウンド効果を期待している。

アナリストは、国際線の運航が限られている状況などから、海外旅行がコロナ前の水準にすぐに戻ることはないとみている。

中国は8日、本土住民へのパスポートと旅行ビザ(査証)、外国人への通常ビザや滞在許可証の発給を再開した。

また新型コロナ感染症の管理上の分類も最も厳格な分類から1段階引き下げた。

ただ春節に伴う帰省ラッシュで、医療体制が都市ほど整っていない農村部は感染者の急増を懸念している。