ウクライナ東部ドネツク州で、多連装ロケット砲で攻撃するロシア軍=ロシア国防省が13日公開した動画より(EPA時事)
ウクライナ東部ドネツク州で、多連装ロケット砲で攻撃するロシア軍=ロシア国防省が13日公開した動画より(EPA時事)

     【ワシントン時事】ウクライナのゼレンスキー大統領は13日の演説で、東部ドネツク州の拠点バフムト近郊の町ソレダルを巡るロシア軍との攻防について「敵はこの方面に最大の戦力を集中させているが、われわれの部隊は国家を守っている」と訴え、戦闘が継続していると主張した。ロシア国防省は、ソレダルを「掌握」したと発表している。

    バフムト近郊の町「掌握」 ウクライナ抗戦継続―ロシア国防省

     米CNNテレビ(電子版)は13日、ソレダルでロシア軍の避難所とみられる緑色の屋根の建物が爆発する映像を伝えた。現場のウクライナ兵士によって投稿されたものという。

     ロシアのプーチン政権はドネツク州を含む東・南部4州の「併合」を一方的に宣言したが、全域を占領できているのはルガンスク州のみ。ロシア国防省は13日、ソレダル掌握がバフムト包囲に道を開くと意義を強調した。3日間でウクライナ兵「700人以上」を殺害したとも主張した。

     米シンクタンクの戦争研究所は12日、「ロシア軍のソレダル占領は作戦上重要な進展ではなく、バフムト包囲が間近に迫っていることを示すものでもない」と指摘。その上で「ロシア軍はソレダルの大部分を支配し、ウクライナ軍を西側郊外から押し出した可能性が高い」と分析した。