全国の物価の先行指標となる1月の東京都区部の消費者物価指数(生鮮食品を除くコアCPI)は前年同月比4.3%上昇となった。伸び率は前月の3.9%から拡大し、1981年5月以来、41年8カ月ぶりの高水準となった。総務省が27日に発表した。

  引き続き食料品とエネルギーを中心に高い伸びとなり、全国旅行支援の縮小による宿泊料の下落幅縮小も押し上げに寄与した。1月からスタートし、消費者物価の押し下げ要因となる政府の総合経済対策における電気・ガス料金の負担軽減策の影響は2月分から反映される。

  昨年12月のコアCPIは速報の4.0%上昇から3.9%上昇に改定されている。

キーポイント
・コアCPIは前年同月比4.3%上昇(ブルームバーグの予想中央値は4.2%上昇)-前月は3.9%上昇
・生鮮食品とエネルギーを除くコアコアCPIは3.0%上昇(予想は2.9%上昇)-前月は2.7%上昇
・総合CPIは4.4%上昇(予想は4.0%上昇)-前月は3.9%上昇

  日銀が18日の金融政策決定会合後に公表した新たな経済・物価情勢の展望(展望リポート)では、コアCPIの前年比上昇率の見通しについて、2022年度を3.0%と従来の2.9%から上方修正した。23年度は1.6%に減速し、24年度に1.8%に伸びが拡大すると見込んでいるが、黒田東彦総裁は2%の物価安定目標を「持続的・安定的に達成できる状況は見通せていない」と語っていた。