[ワシントン 14日 ロイター] – 米労働省が14日発表した1月の消費者物価指数(CPI、季節調整済み)は前年比伸び率が6.4%と、前月の6.5%から鈍化した。伸びは2021年10月以降で最小となったものの、市場予想の6.2%を上回った。

家賃の上昇などが引き続き家計を圧迫し、米連邦準備理事会(FRB)が利上げを停止するにはほど遠い状況を示唆したものの、物価上昇の減速は続いており、FRBが緩やかな利上げ軌道を維持する公算が大きい。

LPLファイナンシャルのチーフエコノミスト、ジェフリー・ローチ氏は「インフレは鈍化しているが、インフレ低下への道のりがスムーズとならない公算が大きい」とし、「FRBは単一の指標のみで判断を下すことはないが、インフレがFRBの望むほどのペースで緩和していないリスクが高まっているのは明らかだ」と述べた。

前年比の直近のピークは昨年6月の9.1%上昇で、1981年11月以来の大幅な伸びを記録していた。

前月比では0.5%上昇で、前月(0.1%上昇)から伸びが加速した。市場予想とは一致した。

住居費は0.7%上昇し、前月比の伸びのほぼ半分を占めた。ガソリンも2.4%上昇し、CPI押し上げ要因となった。

食品も0.5%上昇。昨年12月は0.4%上昇だった。

処方薬も2.1%上昇と、上昇が目立った。

変動の大きい食品とエネルギーを除くコア指数は前年比5.6%、前月比0.4%、それぞれ上昇。前月は前年比5.7%上昇、前月比0.4%上昇だった。前年比での伸びは21年12月以降で最小だった。

持ち家の帰属家賃は0.7%上昇。12月は0.8%上昇していた。

ヘルスケア関連は0.4%下落した。

食品、住居費、エネルギーを除くベースでは0.2%上昇した。12月は0.1%上昇だった。

衣料品は0.8%上昇、中古車・トラックは1.9%下落した。モノのコア指数は0.1%上昇と、4カ月ぶりに上昇に転じた。

バイデン米大統領は声明で「われわれが歴史的な進展を遂げ、正しい軌道に乗っていることを改めて明示した。今こそ仕事を終わらせる必要がある」と述べた。

BMOキャピタル・マーケッツのシニアエコノミスト、サール・グアティエリ氏は「米インフレは鈍化傾向にあるが、コアの上昇ペースは依然高く、FRBは年内に少なくともあと2回の利上げに踏み切るだろう」と述べた。

ネーションワイドのチーフエコノミスト、キャシー・ボストジャンチッチ氏も「金利が一段と上昇するリスクは上向き」とした。

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