• SVB破綻前の監督責任、FDICが大手米銀の負担引き上げ検討
  • 流動性逼迫リスク、LINEバンク開業断念、ロシアの労働力不足

人員削減の話題が目立つテクノロジー業界ですが、ある一角では雇用が盛り上がりを見せています。それは、人工知能(AI)による出力の精度を人間の手で改善させる「プロンプト・エンジニアリング」という職種。オープンAIの「ChatGPT」など生成系AIの競争が激しさを増す中、グーグルが支援するスタートアップでは同職種で年収33万5000ドル(約4400万円)の求人も。AIの精度が飛躍的に向上することで失われる仕事がある一方、AIの思考を助ける仕事の需要は今後さらに高まりそうです。以下は一日を始めるにあたって押さえておきたい5本のニュース。

破綻の戦犯探し

シリコンバレー銀行(SVB)が破綻に至るまでの当局の監督を巡っては、管轄地区のサンフランシスコ連銀のみならず、連邦準備制度全体に落ち度があった。複数の関係者によると、銀行監督で経験豊富な人材の登用よりもスタッフ間の関係改善を優先するデーリー総裁の下、サンフランシスコ連銀ではここ数年に監督担当官の交代が繰り返された。また連邦準備制度理事会(FRB)スタッフは同総裁による連銀運営に関する懸念を複数の当局者に伝えていたという。バーFRB副議長(銀行監督担当)は、SVBが今月経営破綻する前に、監督当局はもっと監視の目を光らせておくことができたはずだと述べた。

大手銀の負担拡大

相次ぐ銀行破綻で230億ドル(約3兆500億円)近いコストを抱えた米連邦預金保険公社(FDIC)は、その負担の分担では国内大手行の割合を通常より高くする方向で検討している。複数の関係者が明らかにした。FDICは1280億ドルの預金保険基金を底上げするために、5月に緊急の業界査定を行うことを提案する計画を明らかにしている。SVBなどの破綻で、この基金への影響は不可避とみられている。小規模銀行に負担をかけないよう政治的圧力が強まる中、FDICは保険料の設定においては一定の裁量が与えられていることを指摘している。

為替市場にリスク

世界の為替市場は年内に流動性逼迫(ひっぱく)の影響を受ける恐れがあると、バンク・オブ・アメリカ(BofA)は警告した。金融状況の引き締まりと経済成長の減速が背景にあるという。為替市場は直近の銀行混乱を比較的無傷で切り抜けたが、米銀行セクターを巡る懸念がドルへの重しとなり、円が買われたのに伴い、主要な通貨ペアのインプライド・ボラティリティーは今月に急上昇した。ただ、こうした動きは「危機の水準からはかけ離れている」とBofAは指摘している。

新銀行の開業断念

みずほフィナンシャルグループがLINEとの共同で設立を目指してきた新銀行が、開業を断念する方向で調整していることが関係者の話で明らかになった。30日にも正式発表されるという。設立を予定していた「LINEバンク」はスマートフォン専業銀行で若年層の取り込みを狙ったが、システム開発が難航し、当初の予定から開業が延期される中、競争環境も大きく変化したことが響いたという。

深刻な労働力不足

プーチン大統領が進める軍備拡大がロシアの労働力不足に拍車をかけている。ブルームバーグのロシア担当エコノミストによれば、軍に動員された人数は計50万人を突破した可能性が高い。昨年9月にプーチン大統領が動員を発表して以来、対象となっている多くの国民が国外脱出したことも人口動態をゆがめており、労働年齢人口は今後10年で6.5%縮小する可能性がある。

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