[アンマン 12日 ロイター] – 2月に大地震に見舞われたシリアに対し、戦略的同盟国のイランが救援のための航空便で武器や軍事用品を持ち込んだことが分かった。シリア、イラン、イスラエル、欧米の情報筋9人がロイターに明らかにした。

情報筋によると、シリアにおけるイランの対イスラエル防衛を補強し、アサド政権を強化することが目的だった。

2月6日にシリア北部とトルコで大地震が発生した後、物資を積んだ航空機数百機がイランからのシリアのアレッポ、ダマスカス、ラタキアに到着し始めた。こうした救援便の運航は7週間続いたという。

情報筋によると、物資には、シリア内戦でイランが提供する防空システムの更新に必要な高度な通信機器やレーダーのバッテリー、予備の部品などが含まれていた。

ロイターは確認のため、西側情報当局者、イランとイスラエルの指導部に近い情報筋、さらにシリア軍の亡命者とシリアの現役将校に救援便について話を聞いた。

ニューヨークのイラン国連代表部は、イランが救援便を使ってシリアでの軍事ネットワークを強化し、アサド政権を助けるために武器などを輸送したのかという質問に対し、「事実ではない」と答えた。

シリア政府はコメント要請に応じなかった。

情報筋によると、イスラエルはシリアへの武器流入をすぐに察知し、輸送阻止に向けた空爆などの措置を講じた。

イスラエルのある防衛当局者はロイターに対し、「シリアへの支援物資の輸送を装い、イランから主に部品などの軍備品が輸送されたのをイスラエルは確認している」と語った。こうした物資は主にシリア北部アレッポの空港に届けられ、その後の輸送はイラン革命防衛隊の対外諜報・準軍事部門クッズフォースが担当したという。

革命防衛隊はコメントを拒否した。