• 外相会合で特に注目を要するのは台湾を巡る緊張
  • 林外相、中国に懸念を直接表明するよう主張
軽井沢駅に到着したブリンケン米国務長官 4月16日 Photographer: Andrew Harnik/AFP/Getty Images

長野県軽井沢町で16日に開幕した主要7カ国(G7)外相会合では、中国を巡る緊張が中心議題の一つになる。米国務省高官が明らかにした。

  G7外相会合を前に同高官は記者団に、アジアの地政学的課題は日本がG7議長国を務める現在、より高い関心を集めると説明した。およそ1カ月後には広島県でG7首脳会議(サミット)が開かれる。

  特に注目を要するのは台湾情勢だ。蔡英文総統がマッカーシー米下院議長と米国で会談したことを受けて、中国は再び台湾周辺で軍事演習を行った。期を同じくして、フランスのマクロン大統領は米国と中国の論争に巻き込まれるのを欧州連合(EU)は回避すべきだと発言。EU内における見解の相違が浮き彫りになった。

  林芳正外相は同日夜のワーキングディナーで中国との関係について、懸念を直接表明するよう主張。中国に国際社会の責任ある一員としての行動を求めつつ、建設的かつ安定的な関係を同国と築くことの重要性を強調した。

  外務省の発表資料によれば、林外相は「中国との間で意思疎通を継続し、グローバルな課題および共通の関心分野については中国と協同」することが大事だと述べた。林氏は今月初めに訪中した。

  各国の外相は最近の訪中を踏まえて意見を交換するとともに、台湾や人権、経済的威圧や先端技術への中国のアクセスを制限する米国の措置などの問題について、G7として共通の対中アプローチを模索する見通し。

  米国務省高官によると、外相らはまた、ウクライナが武器や防衛装置を確保するための方策を議論する。このほか、北朝鮮問題、東南アジア諸国および日米豪印4カ国の協力枠組み「クアッド」との関係深化についても意見を交わす。

原題:China Tensions High on Agenda as G-7 Diplomats Meet in Japan (1)(抜粋)