- ゴールドマン決算、BofA決算、米地区連銀総裁の見解
- 商業用不動産への懸念、アップルのMR戦略
バンク・オブ・アメリカ(BofA)とゴールドマン・サックス・グループの1-3月(第1四半期)決算は債券トレーディングが明暗を分ける格好となりました。2022年10-12月(第4四半期)は共に債券トレーディングが好調だっただけに、株価も反応が分かれました。相場の季節性などの統計を集めた「株式トレーダー年鑑」によると、1950年以降、ダウ工業株30種平均の月間成績は4月(平均1.9%高)が最高となっています。この日、ダウ平均構成銘柄で下落率2位となったゴールドマンの巻き返しなるか。以下は一日を始めるにあたって押さえておきたい5本のニュース。
不調
ゴールドマンの1-3月期は、ウォール街の他社が稼いだ債券トレーディング業務で波に乗れず、全体の純収入もアナリスト予想を下回った。債券・通貨・商品(FICC)トレーディング収入は前年同期比17%減少。これまでに決算を発表した米銀の中で唯一の減少となった。株式トレーディング収入は予想を上回り、債券不調の打撃を和らげた。消費者金融部門マーカスの約40億ドル(約5400億円)相当のローンブックの一部を売却し、貸倒引当金4億4000万ドルを戻し入れた。これにより利益はアナリスト予想を上回ったが、それでも前年同期比19%減だった。
好調
BofAの1-3月期利益は予想を上回った。債券トレーディング収入が大きく膨らみ、不良債権関連のコスト増加を十分に埋めた。FICCトレーディング収入は予想に反し、約30%増の34億ドル(約4560億円)に達した。顧客が金利変動に対応したと同行は説明した。トレーディング増収が寄与し、1株当たり利益はアナリスト予想を上回った。純金利収入(NII)は25%増の144億ドル。アナリストは24%増を予想していた。
利上げ見通しの違い
米アトランタ連銀のボスティック総裁は、政策金利をもう1回引き上げて5%超とし、高過ぎるインフレを抑えるためその水準でしばらく据え置くことを支持すると語った。一方、セントルイス連銀のブラード総裁はロイター通信とのインタビューで、最近のデータでインフレがなお根強く続いていることが示されたとし、利上げを継続する必要があると指摘。フェデラルファンド(FF)金利を5.5-5.75%に引き上げることを支持した。
「信頼の危機」の恐れ
世界最大級のヘッジファンド運営会社マーシャル・ウェイスを率いるポール・マーシャル氏は、先月の銀行システム動揺を受け、次は商業用不動産が信頼の危機に直面する恐れがあるとの見解を示した。今月の投資家向け書簡で、シリコンバレー銀行(SVB)の破綻は速やかに処理が進んだが、金融機関を「自己防衛モード」に追い込んだと指摘。「リセッション(景気後退)のリスクを大幅に高める極めて深刻な信用収縮に見舞われる公算が大きくなった」とし、「商業用不動産、特にオフィス不動産が次の不安材料だ」と記した。
MRヘッドセット向け
米アップルは、発表予定の複合現実(MR)ヘッドセット向けにソフトウエアとサービスの開発を急いでいる。同ヘッドセットの斬新な3Dインターフェースを利用したアプリで需要を喚起するのが狙いだ。同社の計画に詳しい複数の関係者によると、アップルが提供を計画しているのはゲームやフィットネスツールのほか、スポーツ観戦のサービスなど。MRヘッドセットは6月に開催する世界開発者会議(WWDC)で発表され、その数カ月後に発売されるとみられる。値段はおよそ3000ドル(約40万円)に設定される見通し。
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