• 対ロ全面禁輸案、対中投資抑制策、米経済指標
  • 「スターシップ」打ち上げ、メスター総裁の見解
The flags of the G7 countries and EU are seen behind a lectern on June 28, 2022 at Elmau Castle, southern Germany. Photographer: KERSTIN JOENSSON/AFP

5月の主要7カ国(G7)首脳会議(広島サミット)を前に、ロシアへの禁輸強化や中国に対する投資抑制策など米国を中心に動きが強まってきました。意見がまとまらない主要20カ国・地域(G20)会議では声明が発表できない状態が続いているだけに、復権してきたG7サミットで議長を務める岸田文雄首相がイニシアチブを発揮できるかどうか。以下は一日を始めるにあたって押さえておきたい5本のニュース。

全面禁輸か

米国などウクライナを支援する一部の主要国は、ロシアへの輸出をほぼ全面的に禁止する方向で検討している。事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。G7当局者は5月に開催される広島サミットを控え、対ロ輸出をほぼ全面的に禁止する案について協議している。この案は、例外として認められない限り対ロ輸出を全面的に禁止する内容で、実現すれば既存の対ロ制裁を一変させることになる。医薬品のほか、食品を含む農産物は除外対象となる可能性が非常に高いという。

対中投資抑制策

バイデン米大統領は、中国経済の重要な部門に対する米企業の投資を制限する大統領令に、数週間以内に署名することを目指している。事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。バイデン政権はこの措置をおよそ2年にわたり協議してきた。広島サミットの前に行動を取る計画で、他のG7メンバーには投資抑制措置について報告済みだと、関係者は述べた。同会議で支持を取り付けたい考えだが、他国も同様の制限を同時に発表することは見込んでいないという。

軟調な米経済統計

米国では先週、新規失業保険申請件数が増加した。失業保険の継続受給者数(8日終了週)は186万5000人と、2021年11月以来の高水準となり、労働市場の若干の軟化が示唆された。一方、3月の中古住宅販売件数は予想以上に減少した。2月は大幅増を記録していた。住宅市場は一部に安定化の兆しもあるが、依然として回復の足取りが不安定なことが浮き彫りになった。中古住宅価格は2012年1月以降で最大の下落となった。

上空で爆発

イーロン・マスク氏率いる米宇宙開発企業スペースXは開発中の大型ロケット「スターシップ」をテキサス州の施設から打ち上げた。ロケットは発射から数分後、上空で爆発した。今回の打ち上げでは発射から数分後にスーパーヘビー・ブースターの切り離しに失敗し、「予定外の急激な分解」につながったという。同社は今回の試験飛行によって貴重な情報がなお得られる可能性があり、単純に打ち上げだけで成功とも考えられると示唆した。爆発の直後、マスク氏は次の試験飛行が「数カ月後」に行われるだろうとツイートした。

あと1回

米クリーブランド連銀のメスター総裁は20日、インフレ抑制のためあと1回の利上げを支持する考えを示唆した。一方で、最近の銀行セクターのストレスが与信を妨げ、景気を鈍らせる可能性に触れ、銀行を巡る状況を注視する必要性を指摘した。「金融政策は今年、景気抑制的な領域に幾分さらに進む必要があると私はみている。フェデラルファンド(FF)金利が5%を上回り、実質FF金利がしばらくの間プラスの領域にとどまる状況だ」と述べた。

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