[東京 25日 ロイター] – 日銀が25日公表した3月の企業向けサービス価格指数は108.3と、前年比1.6%上昇した。指数は2000年11月(108.5)以来の高水準。旅行需要の回復で「宿泊サービス」が大きく伸びた。22年度は前年度比1.8%上昇し、伸びは14年度(3.3%)以来の大きさとなった。

単月の前年比での上昇は25カ月連続。日銀の担当者によると、観光需要喚起策「全国旅行支援」の割引の影響を除くと前年比1.7%上昇になるという。

指数の押し上げに最も寄与したのは「諸サービス」で、「宿泊サービス」が前年比32.4%上昇した。春休み需要やインバウンド需要が回復し、プラス幅が拡大した。「土木建築サービス」では、国土交通省が発注する公共工事の設計業務委託等の積算に用いる技術者単価が上昇した。

このほか「リース・レンタル」、「運輸・郵便」、「不動産」、「金融・保険」なども指数の押し上げ要因となった。「運輸・郵便」では、感染症の影響が緩和したことで「国内航空旅客輸送」の需要が回復。「道路貨物輸送」は、燃料費の上昇やドライバー不足で値上がりした。

公表している146品目のうち、前年比で上昇したのは94品目、下落したのは23品目。

22年度の指数は107.4と、00年度(108.6)以来の高水準。伸び率は21年度の1.2%から拡大した。消費税の影響を除くと91年度(2.8%)以来の伸び。

最も押し上げに効いたのは「諸サービス」で、「宿泊サービス」が旅行需要の回復を受けて上昇。「土木建築サービス」や「労働者派遣サービス」、清掃や衛生管理などが含まれる「建物サービス」などで人件費上昇の影響かあった。「機械修理」、「自動車整備」、「洗濯」では、資材価格や光熱費上昇の影響が主因ながら、一部で人件費上昇の影響もあったという。

(杉山健太郎 編集:田中志保)