• ファーストRまた急落、規制当局が格下げ検討、野村を独検察が捜索
  • マイクロソフトのアクティビジョン買収阻止、ディズニーが提訴
A customer enters a First Republic Bank branch in San Francisco, California, U.S., on Friday, March 31, 2017. Photographer: David Paul Morris/Bloomberg

26日の米株式市場ではS&P500種株価指数が続落。ハイテク株の上昇で一時プラス圏で推移したものの、その後は地銀の経営状況を巡る懸念が再燃し指数への重しとなりました。市場は特にファースト・リパブリック・バンクに注目しており、今後の展開次第では5月に開催される米連邦公開市場委員会(FOMC)会合での政策決定に影響を与える可能性もありそうです。以下は一日を始めるにあたって押さえておきたい5本のニュース。

また急落

ファースト・リパブリック・バンクが前日に続いて急落し、上場来安値を付けた。経営難に陥っている同行の救済計画の一環として、アドバイザーらが新株の買い手候補をそろえたとの一部報道に反応した。米経済専門局CNBCが報じたところでは、アドバイザーらはファースト・リパブリックを既に一度救済した米大手行に対し、ファースト・リパブリックから市場価格を上回る水準で社債を購入するよう説得を試みる見通し。CNBCのデービッド・ファーバー氏はまた、ホワイトハウスや米財務省がファースト・リパブリックの資産売却計画をまとめるよう他の銀行に圧力をかけることに前向きでないようにみえると伝えた。ファースト・リパブリック株は一時41%安の4.76ドルとなった。

アクセス制限も

米銀行規制当局は、統一金融機関評価システム(UFIRS)に基づくファースト・リパブリックの格付けを引き下げる可能性について検討している。実施されれば、同行は連邦準備制度理事会(FRB)の緊急貸出制度へのアクセスを制限され得る。連邦預金保険公社(FDIC)は同行に対し、財務強化につながる取引をまとめる時間を与えてきた。ただ、取引がまとまらないまま数週間が過ぎ、FDICの高官は同行の評価について、連銀窓口貸出制度および「バンク・ターム・ファンディング・プログラム(BTFP)」の利用を制限し得る水準に引き下げるかどうか検討している。協議に詳しい複数の関係者が明らかにした。

CUM-EX

野村ホールディングスのフランクフルトオフィスがドイツの検察当局による捜索を受けている。多額の脱税を可能にした「CUM-EX」と呼ばれる金融不祥事についての捜査の一環だという。事情に詳しい関係者が匿名を条件に述べたところによれば、捜索は25日午前に始まった。CUM-EXは欧州全体で行われていた取引で、1回しか支払われていない配当に対して複数回の税還付を受けられるようにする手口。これにより欧州各国政府の税収に巨額の被害が出た。

買収阻止

英競争・市場庁(CMA)は、米マイクロソフトによるアクティビジョン・ブリザード買収計画を認めないと発表した。クラウドゲームの競争を損ねるとの懸念が理由だ。CMAは声明で、大ヒットゲーム「コールオブデューティ(CoD)」の売却やライバル企業による自社プラットフォームでのCoD提供を許可する約束など複数の解決策が示されたが、懸念は解消されなかったと説明した。

フロリダ州知事を提訴

米ウォルト・ディズニーは、デサンティス・フロリダ州知事を提訴した。知事の政策に反対する発言をしたことで報復を受け、数十億ドルもの事業が脅かされていると主張している。「州政府は法律で保護されたディズニーの言論を罰するために、デサンティス知事による細かい指示の下、当社を標的とした報復キャンペーンを展開した。それは今やディズニーの事業運営を脅かし、同地域における当社の経済的将来を危険にさらし、憲法で保障された権利を侵害している」とディズニーは訴えた。

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