[ロンドン 10日 ロイター] – 10日にロンドンで開かれた英紙ファイナンシャル・タイムズ主催の暗号資産(仮想通貨)に関する会議で、各国・地域の暗合資産規制がばらばらで世界的なコンセンサスを欠いているとの批判が出た。

欧州連合(EU)はこのほど、世界で初めて暗号資産を包括的に規制する「暗号資産市場規制法(MiCA)」を策定した。だが英国や米国は規制が大幅に遅れている。

暗号資産会社は、マネーロンダリング(資金洗浄)やテロ金融を防止するための法令順守を除けば、世界の多くの国・地域で大方規制されていないのが実態だ。

米証券取引委員会(SEC)のヘスター・ピアース委員は「欧州が非常に速く規制法案を策定したのは称賛すべきだ。米国は規制の枠組みを構築しないことにより、自ら災いを招いている」と発言。米議会はどの規制当局が暗号資産を管轄するのかを決める必要があると訴えた。

暗号資産交換所大手FTXの昨年の経営破綻を受け、より明確な規則の必要性が高まり、米商品先物取引委員会(CFTC)も暗号資産セクターに目を向けている。

しかし暗号資産企業コッパーのエバ・グスタブソン氏は、EU以外で法的な枠組みが欠如しているため、世界的な基準に関するコンセンサスが形成されるまでは、EUの規則が国際基準としての役割を担わざるを得ないとの見方を示した。

同氏は、規制がより明確になれば、伝統的な機関投資家が暗号資産の市場に参入し、市場が「一段と成熟する」と話した。