• 米債務上限巡る協議は合意に至らず、米金融当局者の発言相次ぐ
  • 米経済指標、ファイザー大型起債、米地銀巡りダイモン氏が発言
The ChatGPT user interface.  Photographer: NurPhoto/NurPhoto

人工知能(AI)を巡る米上院公聴会の冒頭、ブルメンタール議員はAIのリスクについて、こう警告しました。「テクノロジーが規制を追い越す時に何が起こるか、我々は多く目にしてきた。個人データの野放図な搾取、偽情報の拡散、社会的不平等の深化などだ」。しかし、その音声は実際にはアプリが生成したもので、言葉自体も「ChatGPT」が書いたもの。そのChatGPTの開発元、オープンAIのサム・アルトマン最高経営責任者(CEO)も公聴会で規制導入を呼び掛けました。生成AIに人類はどう向き合うべきか。主要7カ国首脳会議(G7広島サミット)での議論にも注目が集まります。以下は一日を始めるにあたって押さえておきたい5本のニュース。

合意には程遠い

米債務上限問題を巡り、バイデン米大統領とマッカーシー下院議長ら議会指導者が今月2回目の会談を行った。マッカーシー氏は会談後、合意には依然程遠いと語った。ただ、今週末までに合意に至る可能性はまだあるとも述べた。バイデン氏はG7広島サミット出席後に予定していたオーストラリアとパプアニューギニア訪問を取りやめ、債務上限を巡る共和党との協議に戻る。関係者によれば、17日に日本に向け出発するが、G7サミット閉幕後の21日に米国に戻る。

追加利上げか否か

一部の米金融当局者は利上げが完了したとは考えていないようだ。リッチモンド連銀のバーキン総裁は、インフレ沈静化に成功したとの確証はまだ得ていないとし、必要とあればさらなる利上げも辞さないとの見解を示した。クリーブランド連銀のメスター総裁は、政策金利は景気にとって十分に抑制的だと考える水準にまだ達していないとの見解を示し、さらなる引き締めを支持する可能性を示唆した。一方、ニューヨーク連銀のウィリアムズ総裁は、これまでの利上げの経済への影響に関して情報を集める必要があると語った。

消費の安定を示唆

米経済指標では、4月の小売売上高が前月比0.4%増と、3カ月ぶりにプラスとなった。インフレや高い借り入れコストといった逆風の中でも消費が持ちこたえていることが示唆された。国内総生産(GDP)の算出に使用される飲食店と自動車ディーラー、建材店、ガソリンスタンドを除いたコア売上高は0.7%増と、今年に入り最大の伸び。また4月の鉱工業生産統計では、製造業の生産指数が1.0%上昇と持ち直した。自動車の生産が大きく伸びて全体をけん引し、財の需要がいくらか安定したことが示唆された。

史上4番目の規模

米製薬大手のファイザーは総額310億ドル(約4兆2300億円)相当を起債した。米社債史上4番目の規模となる。関係者によれば、米抗がん剤メーカー、シージェンの買収資金を調達するため合計8本の社債を発行。最長は40年債で、米国債に対する上乗せ利回りは1.6ポイントが予想されている。当初は1.8ポイントの上乗せで話が進んでいたという。バンク・オブ・アメリカ(BofA)とシティグループ、ゴールドマン・サックス・グループ、JPモルガン・チェースが幹事を務めている。

どうなる米地銀

JPモルガン・チェースのジェイミー・ダイモン最高経営責任者(CEO)は、苦境に陥っている米地銀をこれ以上買収する可能性は低いと語った。JPモルガンは今月、公的管理下に置かれたファースト・リパブリック・バンクを買収。ファースト・リパブリックは破綻した銀行の規模としては米国史上2番目に大きく、米地銀の破綻は今年4行目だった。ダイモン氏は年次総会で株主からの質問に回答し、地銀業界が「安定を取り戻す」と期待していると述べた。

その他の注目ニュース

サウジ政府系ファンド、ゴールドマンやポイント72から人材採用

投資家は今年最も悲観的-BofAのファンドマネジャー5月調査

NYのバーゲン天国「センチュリー21」が復活-コロナ禍乗り越え