[ニューヨーク 8日 ロイター] – カナダ東部で続く森林火災の煙が国境を越え米国に広がり深刻な大気汚染を引き起こしている問題で、米国立気象局は8日、北東部ニューイングランド地方から南部サウスカロライナ州までの東海岸と、オハイオ、インディアナ、ミシガン各州を含む中西部の一部を対象とする大気汚染に関する警報を延長した。

国立気象局の気象学者によると、11日ごろまで煙った状況が続く可能性があるという。

米北東部を覆う山火事の煙としては過去20年以上で最悪のレベルとなっており、7日にはニューヨーク市の有名なスカイラインがかすんで見えたほか、各地で学校の屋外活動が中止されるなどの影響が出た。8日も首都ワシントンでは公立学校でスポーツを含む屋外活動が中止されたほか、ニューヨーク・ロングアイランドで開催が予定されていた競馬が延期された。

航空便の乱れも続いている。煙による視界不良のため、米連邦航空局(FAA)はこの日も、米北東部や中部大西洋地域などからのニューヨーク市周辺やフィラデルフィアの空港への到着便を停止。ニュージャージー州のニューアーク・リバティー国際空港への発着便も遅延している。

また、民主党上院トップのシューマー院内総務は8日、ビルサック農務長官に書簡を送り、カナダの森林火災対応を支援し、米国の大気汚染リスク軽減に向けた人員を増員するよう促した。

ホワイトハウスの声明によると、バイデン大統領は8日、カナダからの消防士増員要請などに迅速に対応するよう米当局に要請。また、ブティジェッジ運輸長官に対し、大気環境の悪化に伴う航空便への影響の管理について常に情報を提供するよう求めたという。