[東京 5日 ロイター] – 国際原子力機関(IAEA)のグロッシ事務局長は5日、訪問先の福島県いわき市で地元関係者らと対面し、日本政府と東京電力が計画する福島第一原子力発電所の処理水放出について、IAEAが最後まで現地で監視し続けると説明した。

IAEAは前日、日本の処理水放出計画について「国際的な安全基準と合致している」とする報告書を発表し、日本政府に提出した。海洋放出が人や環境に与える影響は無視できるものと結論づけたが、地元の福島をはじめ全国の漁業団体などは放出に反対の姿勢を変えていない。

グロッシ氏は直接対話を通じて双方の理解を深めたい考えで、会議場に入ると出席者1人1人と握手。地元の懸念や疑問を理解していると語る一方で、「それをいっぺんに解決できるような魔法の杖は持っていない」と述べた。その上で「最後の一滴を安全に放出し終わるまでIAEAは福島にとどまる」とし、数十年にわたり現地で監視する方針を説明した。

グロッシ事務局長は途中から会議に参加した。今回が初めて地元自治体や漁業関係者と面会する機会となったが、「決してこれが最後ではない」と述べ、対話を継続していく意向を示した。

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グロッシ氏到着前には政府と東電が地元自治体や漁業関係者らに廃炉の進ちょくや処理水放出の準備状況を説明。福島県漁連の野崎哲会長は、「われわれの反対の中で海洋放出の事業が進んでいるという緊張感を持って進めて欲しい」と語った。

福島県の鈴木晶・危機管理部政策官は、風評被害が発生する場合には、東京電力に対し円滑で確実な賠償を指導するなど国が最後まで責任を持って対応していくよう求めた。

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