[シンガポール 25日 ロイター] – 異常気象を分析する国際研究グループ「ワールド・ウェザー・アトリビューション」(WWA)は25日に公表した報告書で、北米や欧州、中国を今月襲った熱波について気候変動が大きく影響しているのは確実だと指摘した。

今月に入って中国や米国、南欧では気温が記録的水準に上昇。森林火災や水不足を引き起こし、暑さで入院する人も増えている。

ギリシャのロードス島では先週末、熱波で発生した山火事により観光客数千人が避難を余儀なくされた。

WWAは、気候変動がなければこうした現象が起こることは「非常にまれ」だったと指摘。報告書作成に参加したオランダ王立気象研究所のイジディン・ピント氏は会見で「欧州と北米の気温は気候変動の影響なしには事実上あり得なかった」と指摘。中国では気候変動によって熱波が約50倍発生しやすくなったと説明した。

温室効果ガス濃度の上昇により、欧州では2.5度、北米では2度、中国では1度、それぞれ気温が高くなったと推計した。