• 追加利上げ可能性残す、中国債券市場のジレンマ、余剰資本帳消しも
  • ウォール街のAI利用にメス、北朝鮮経済の活性化の兆し
Photographer: Marlena Sloss/Bloomberg

第2四半期決算を受けて株価が上昇したアルファベットですが、決算に合わせて発表された人事も注目を集めています。新設される社長と最高投資責任者(CIO)にポラット最高財務責任者(CFO)が就くというもの。モルガン・スタンレーCFOだった同氏がグーグルに移籍したのが2015年。財務規律を厳格化して投資家の信頼獲得に尽力するなど、同社をハイテクの巨人に育てた立役者の1人です。生成人工知能(AI)の環境整備が急がれる中、新ポストでは政策当局者との折衝など「新たな挑戦」に挑みます。以下は一日を始めるにあたって押さえておきたい5本のニュース。

追加利上げ余地残す

米連邦公開市場委員会(FOMC)は25、26日に開催した定例会合で、主要政策金利を0.25ポイント引き上げることを決定。一段のインフレ沈静化に向けて政策を微調整する中、さらなる利上げに動く可能性も残した。声明の文言からは、9月の次回会合で追加利上げに動くか、利上げを停止ないしスキップ(1回見送り)するか、入手するデータに応じて柔軟に動けるよう選択肢を残していることが示唆される。

運用者の見解二分

中国の債券市場がもたらすのは世紀の取引か、それとも破滅への道か。東京でビールを飲みながら思いを巡らす日本のベテラン運用担当者3人の姿には、世界2位である中国債券市場への参入を決める際に世界の投資家が直面するジレンマが集約されている。無視できないほど巨大でありながら、中国の一部大企業を屈服させた共産党の予測不可能な意思決定や、米国との対立の影響を受けやすい市場にいかに投資するか、世界金融における最大のジレンマの一端を浮き彫りにしている。

1180億ドル喪失も

ウォール街の大手銀行は、過去10年間に積み上げた余剰資本1180億ドル(約16兆6000億円)のほぼ全てを帳消しにしかねない新たな規制に備えている。今後何年にもわたって自社株買いが抑制される可能性が高い。米連邦準備制度理事会(FRB)と連邦預金保険公社(FDIC)は27日、それぞれ開く公開会合でこうした措置を提案することを投票で決める。バーゼル3として知られる国際基準の最終版を米国が導入する上での最初のハードルとなる。こうした変更はFRBのバー副議長(銀行監督担当)が始めた抜本的見直しの一環。

ウォール街のAI利用

顧客とのやりとりに人工知能(AI)を使うウォール街の証券会社や資産運用会社に、規制当局のメスが入りそうだ。米証券取引委員会(SEC)が26日に発表する計画は、金融機関によるAI導入で生じ得る利益相反の根絶を目指すもの。ゲンスラーSEC委員長はかねてこの問題を指摘してきた。また重大なサイバーセキュリティー事象の発生から4営業日以内の開示を企業に義務付ける最終規制についても、SECは導入の是非を検討する。

秘密取引で潤う

これまでになかった種類の砂糖が市場に出回るようになった。衛星写真が国境を越える列車を捉えた。トランスポンダー(応答装置)をオフにした貨物船が出航した-。北朝鮮の不透明な経済を見極める際に専門家が注目するのは経済データではなく、こうした兆しだ。これらの兆しは全て、一つの結論を示唆する。北朝鮮の指導者、金正恩朝鮮労働党総書記が困窮する国庫を満たす新たな方法を見いだしたということだ。

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