• 米中長期債の発行増額、ADP米雇用者の伸び堅調
  • リセッション予想撤回、AI時代の「勝者と敗者」、地区連銀新総裁
A resident of the Hebrew Home at Riverdale and her guest look out a window in Riverdale, New York, U.S. Photographer: Michael Nagle

米国では老後に備えた貯蓄目標が平均180万ドル(約2億5800万円)に上がったとの調査結果が報じられました。一方で、実質所得の伸びは減速し、新型コロナウイルス禍前のトレンドを下回ったとの分析も出ています。活発な消費傾向が続く中で借り入れで賄う動きが強まれば、家計の健全性は憂慮すべき形で悪化する可能性があるとブルッキングス研究所は警告しました。以下は一日を始めるにあたって押さえておきたい5本のニュース。

発行増額

米財務省は四半期定例入札に関して、中長期債の発行規模を約2年半ぶりに引き上げた。来週の入札で3、10、30年債を計1030億ドル相当発行する。発行規模は前回(計960億ドル)から拡大し、大半のディーラー予想をやや上回った。政府の借り入れニーズの高まりの影響でフィッチ・レーティングスは米国の格付けを最上級から引き下げており、今回の入札ではディーラーからの需要が試されそうだ。同省は発行規模の拡大が2024年に入っても続く可能性が高いとの見解も示した。

強さ浮き彫り

ADPリサーチ・インスティテュートが発表した7月の米民間雇用者数は32万4000人増加した。全てのエコノミスト予想(中央値は19万人増)を上回り、労働市場の強さが続いていることが浮き彫りになった。賃金の伸びは7月も減速した。4日発表の7月雇用統計では、非農業部門雇用者数は20万人増と見込まれている。

景気後退見通し撤回

バンク・オブ・アメリカ(BofA)は、ウォール街の大手銀行として初めて米国のリセッション(景気後退)予測を公式に撤回した。マイケル・ゲーペン氏率いる同行エコノミストはリポートで「過去3四半期の米経済活動の成長率は平均2.3%で、失業率は史上最低水準に近く、賃金と物価の圧力は徐々にではあるが正しい方向に向かっている」と指摘した。パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長も1週間前に、当局のエコノミストはもはや景気後退を予測していないと記者団に語っていた。

「勝者と敗者」

人工知能(AI)が経済全体に普及するのに伴い、株式市場では「勝者と敗者」の見極めが進んでいる。勝ち組はAIブームの追い風を受けて株価が上昇したエヌビディアやマイクロソフトにとどまらない。カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)などの研究者らによると、AI浸透で人員削減の影響が最も及ぶとみられる企業の株価が、市場全体を上回るパフォーマンスとなっていることが分かった。例えば、生成AIへのエクスポージャーが高い保険会社は、エクスポージャーが低いライバル企業よりも大きく値上がりしているという。

新総裁

米カンザスシティー連銀は、1月に退任したジョージ前総裁の後任としてジェフリー・R・シュミッド氏を指名した。シュミッド氏は過去に長年バンカーを務めたほか、銀行監督者としての経験もある。現在はサザン・メソディスト大学のコックス・スクール・オブ・ビジネスでバンキングの大学院プログラムを率いる。同連銀が主催するジャクソンホール会合(年次シンポジウム)直前の8月21日に総裁に就任する。FOMCでの議決権は2025年に有する予定。

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