• 景気抑制的スタンス当面維持、ゴールドマン起債、テスラCFO退任
  • クレディS投資銀のアジア人員削減も、中国で多様性認めない動きか
An employee wears a headset while working at a desk at the 24/7 Customer Philippines Inc. call center in Cebu, Philippines. Photographer: Kuni Takahashi

英語が使える優位性もあり、コールセンター大国として存在感を示してきたフィリピン。その地位が現在脅かされています。一つの要因は人工知能(AI)の台頭。もう一つは、必要なスキルを備えた人材の減少で、教育の質の劣化が背景にあります。フィリピンは新型コロナ禍に伴う学校閉鎖を2年半にもわたって続け、基礎的な読み書きの能力にも深刻な影響が及んでいるとのこと。今後の国力低下が危惧されています。以下は一日を始めるにあたって押さえておきたい5本のニュース。

「景気抑制的スタンスを当面維持」

米ニューヨーク連銀のウィリアムズ総裁はニューヨーク・タイムズ紙とのインタビューで、データ次第だとしながら「景気抑制的なスタンスを当面は維持する必要があると想定している」と発言。追加利上げの必要性については「議論の余地がある」ものの、インフレ率が下がり続ける場合は、実質金利がさらに上がらないよう、2024年か25年に金利を引き下げる必要があるかもしれないとの見解を示した。一方、米連邦準備制度理事会(FRB)のボウマン理事はイベントで、「インフレ率を連邦公開市場委員会(FOMC)の目標に低下させるには、追加利上げが必要になる可能性が高いと想定している」と述べ、5日の発言内容を繰り返した。

CPI前に起債

米銀ゴールドマン・サックス・グループは米投資適格債市場で新規資金を調達する。先週のフィッチ・レーティングスによる米信用格付けの引き下げを経て、重要な物価統計の発表が今週控えている中での起債となる。関係者によると、起債は2本立てで規模27億5000万ドル(約3920億円)。このうち22億5000万ドル分の発行条件は米国債利回りに1.03ポイントの上乗せになる。7日はゴールドマンを含む少なくとも9社の起債計画が明らかになった。10日に発表される米消費者物価指数(CPI)の前に、借り入れを手配したい意向のように見受けられる。

マスク氏の後継は

電気自動車メーカーの米テスラは、ザック・カークホーン最高財務責任者(CFO)の退任を明らかにした。同氏は過去13年にわたって在籍し、イーロン・マスク最高経営責任者(CEO)の後継として最有力候補とみられてきた。テスラ株は7日の米株式市場で一時4%余り下落。最高会計責任者(CAO)のバイブハブ・タネジャ氏がCFOを兼務する。19年からCFOを務めてきたカークホーン氏は年内は同社にとどまる。

3分の2削減検討

スイスの銀行UBSグループはアジア太平洋地域でクレディ・スイス・グループの投資銀行業担当者を約3分の2減らすことを検討している。アジアのグローバルバンキング部門では今後数カ月間で約200人が削減される見込み。非公開情報だとして関係者が匿名を条件に語った。UBSはなおアジア全域で100人以上のクレディ・スイスの投資銀バンカーを残したいと考えており、その多くについては香港以外の市場に重点を置くという。UBSは7日、投資銀行部門の幹部刷新を発表。行内向け文書によれば、任命された約40人の幹部のうちクレディ・スイス出身者は6人だけだった。

レインボー認めずか

台湾人歌手で阿妹(アーメイ)の愛称で知られる張恵妹さんが北京で5日に行ったコンサートで、多様性を表す虹色の衣類を会場内で着ることが禁止されたと観客が明らかにした。中国でLGBTQなど性的少数者らに対する締め付けが一段と強まっている兆しだ。中国では習近平体制下で価値観の保守化が進んでおり、LGBTQコミュニティーのメンバーや支援者らに対する圧力が強まっている。今年5月には中国で15年間運営されていたLGBTQセンターが閉鎖に追い込まれた。

その他の注目ニュース

日銀のYCC修正後も円安続く、植田総裁が為替相場に異例の言及でも

グリーン移行訴えるクルーズ船、短期的に気候に悪影響もたらす恐れ

北朝鮮にロシア軍のVIP専用機-兵器取引との懸念強まる