[ロンドン 18日 ロイター] – 暗号資産(仮想通貨)のビットコインが18日の取引で2カ月ぶりの安値を更新した。最近は狭いレンジ内で推移していたが、世界的に投資家のリスク選好度が低下しており、レンジを下抜けた。

ビットコインは前日、7.2%安と、暗号資産交換業大手FTXが破綻した昨年11月以来の大幅な下げを記録。

18日もさらに値下がりし、アジア時間の取引で6月16日以来2カ月ぶりの安値となる2万6172ドルまで下げた。0835GMT(日本時間午後5時35分)時点で0.8%安の2万6441ドル。

前日の米株式市場は下落。アジア株も中国経済や米利上げ長期化に対する懸念で3週連続の下げとなる見通し。

同じく前日大きく下げたイーサは横ばいの1685.20ドル。

ビットコインは昨年、暗号資産関連会社の破綻が相次ぐ中、急落したが、今年は緩やかに回復し、ここ数カ月は3万ドル近くで推移していた。

前日からの下げについて、一部アナリストは、イーロン・マスク氏の宇宙事業会社スペースXが、保有するビットコインの評価を3億7300万ドル引き下げた後、売却したという米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)の報道が材料と指摘した。

eToroのグローバルマーケットストラテジスト、ベン・ライドラー氏は、スペースXの報道がビットコイン売りの引き金になったとしたうえで、暗号資産も全ての資産に見られるリスクオフの売り圧力と無縁ではないと述べた。

エニグマ・セキュリティーズのリサーチ責任者ジョセフ・エドワーズ氏は、ビットコインの値動きについて、低ボラティリティーと個人投資家の関心低下が背景だと指摘している。