[東京 22日 ロイター] – 日銀の植田和男総裁と岸田文雄首相は22日正午ごろから官邸で会談した。植田総裁によると、定期的な情報交換の一環で、岸田首相からは経済・金融情勢について様々な質問があった。総裁は日銀が7月末に決めた政策修正について説明し、首相から「よく分かりました」との回答があったという。

為替相場の変動についてのやり取りは「特になかった」と植田氏は記者団に説明した。

植田総裁と岸田首相の官邸での会談は総裁就任直後の4月10日以来2度目。関係者によると、24日から米ワイオミング州で開かれる経済シンポジウム「ジャクソンホール会合」に関するやりとりもあったとみられる。

米金利上昇で為替はドル円146円台で円安が進行している。物価高が内閣・与党支持率を下押しするなか、物価上昇に拍車をかける円安に官邸は神経をとがらせている。「今後の為替の方向性が読みにくい」(政府高官)ことも、政権の懸念材料となっているもようだ。

(竹本能文、杉山健太郎)