[ロンドン/シカゴ 24日 ロイター] – 世界保健機関(WHO)で感染症問題を担当している疫学者のマリア・バンケルコフ氏によると、高度に変異したオミクロン株の新たなウイルス系統「BA.2.26」が、イスラエルやデンマーク、米国、英国に加えてスイスと南アフリカでも検出されたことを明らかにした。

「BA.2.26」は今年のほとんどの期間で流行の主流となってきた「XBB.1.5」とは35カ所以上もの変異箇所が認められており、7月24日にデンマークで初めて見つかった。その後各地の空港における定期検査や下水道のサンプル採取によって検出されている。

世界中の十数人の科学者によると、「BA.2.26」の監視は大事だが、ワクチンやこれまでの感染で多くの人々が免疫を獲得している点を踏まえれば、このウイルス系統が重症患者や死者を拡大させる公算は小さいという。

一方でバンケルコフ氏は、「BA.2.26」による重症化や死亡を防ぐには再感染よりもワクチンの方が有効だと指摘した。