• トルコ・ロシア首脳会談、ファーウェイの最新スマホ
  • ECB高官発言、米国株への警鐘、中国エネルギー需要見通し
トルコのエルドアン大統領とロシアのプーチン大統領
トルコのエルドアン大統領とロシアのプーチン大統領 Photographer: Andrey Rudakov/Bloomberg

トルコのエルドアン大統領は、インドで今週開催される20カ国・地域首脳会議(G20サミット)への手土産にと、ウクライナ産穀物の輸出再開に向けて、ロシアのプーチン大統領と会談しましたが、進展はありませんでした。そのG20サミットに中国の習近平国家主席は出席しないようです。7月に開かれたG20財務相・中央銀行総裁会議では共同声明の採択が再び見送られており、G20の存在意義が揺らいでいます。以下は一日を始めるにあたって押さえておきたい5本のニュース。

進展なし

プーチン大統領は自国の農産物輸出に対する障害が取り除かれない限り、黒海経由でのウクライナ産穀物輸出を可能にする合意を復活させるつもりはないと述べた。プーチン氏はエルドアン大統領とロシアのソチで3時間にわたり会談。2022年に黒海穀物輸出合意で仲介役を務めたエルドアン氏は同会談での成果として、7-10日にインドで開催されるG20サミットで提示できる新たな枠組みを望んでいた。

米制裁に対応

中国の華為技術(ファーウェイ)は最新スマートフォン「Mate 60 Pro」を動かす半導体として、中芯国際集成電路製造(SMIC)が国内生産した回路線幅7ナノメートルの先端製品を採用している。中国の台頭を抑え込む米国の対策をくぐり抜ける中国政府の取り組みに進展があったことを示唆している。テストでは「Mate 60 Pro」は最新のiPhoneと同等の通信速度に達し得ることが確認された。ただアップルは来週、3ナノメートル製造方式で生産されたiPhone新機種を発表する見通し。

言葉より雄弁

ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁は「行動は言葉よりも雄弁だ」と述べ、来週の会合で金利を引き上げるか据え置くかについて言及を避けた。一方、ECB政策委員会メンバーであるポルトガル中銀センテノ総裁は、金利について「行き過ぎ」のリスクがあると警告。ドイツ連銀のナーゲル総裁は、準備金の要件引き上げを支持する意向を示唆した。ECBは7月に最低限の準備金に対して支払う金利をゼロとする方針を発表し、市場の意表を突いていた。

自己満足

米国株投資家が抱く強い自信に対し、JPモルガン・チェースのストラテジストは懸念を抱いている。ミスラブ・マテイカ氏率いるチームは「センチメントに自己満足感が見られ、ボラティリティー指数は記録的な低水準に近い」と指摘。平均を上回る水準まで「ポジショニングは積み上がっている」という。同チームがまとめたリポートによれば、「FOMO(乗り遅れることへの恐怖)」は最高潮に達している。

驚くほど楽観的

石油取引業界にとって最大級の年次会合、アジア太平洋石油会議(APPEC)では、中国経済を巡る悲観論は同国エネルギー需要の正確な姿を描いていないとの指摘が出席者から相次いだ。トラフィグラの石油トレーディング部門の共同責任者、ベン・ルコック氏は「中国で起きていることには良いことも多くある」と指摘。「中国需要について言えば、不動産市場は悪い状態だが、経済の他の部分はそうではない」と述べた。ベテラン石油コンサルタントのゲーリー・ロス氏が中国需要についてさらに強気な見通しを示した。

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