タリバンの拘束で拷問や死者、国連が報告書

[20日 ロイター] – 国連は20日、イスラム主義組織のタリバン当局に拘束された人々に対する権利侵害が1600件以上報告されており、警察や情報機関などによる拷問や不当な扱いが半数近くを占めるとの報告書をまとめた。

国連アフガニスタン支援ミッション(UNAMA)によると、今年7月までの1年7カ月間に刑務所で死亡した人や警察・情報機関による拘束で死亡した人は18人。

タリバンは2021年の外国軍撤退でアフガニスタンを掌握し、警察や情報機関に人員を配置している。

報告書は「自白など情報を引き出すため、拘束された人に激しい苦痛が加えられた」と指摘。殴打、電気ショック、窒息、水の強制摂取、脅迫などが行われたほか、逮捕の理由を伝えなかったケースや弁護士に面会できないケース、拘束中の医療が不十分なケースがあったという。

権利侵害の約1割は女性に対するもので、被害者の4分の1近くは記者や市民団体のメンバーだったという。

タリバン外務省は報告書に掲載された反論で、権利侵害の件数は不正確で、特に被害を受けた記者と市民団体のメンバーの数は正確ではないと主張。拷問や自白の強要を禁じた最高指導者の命令を確実に順守するため、当局と司法機関が監視強化に向けた作業を進めていると説明した。