岸田首相(21日、米ニューヨークで)=黒瀬祐生撮影

 岸田首相が新たに「資産運用特区」を創設し、資産運用業界に海外勢の参入を促す方針を示した。来年1月から始まる新しいNISA(少額投資非課税制度)との両輪で、国民の資産形成を後押しする狙いだ。

岸田首相(21日、米ニューヨークで)=黒瀬祐生撮影

 岸田政権は看板政策「新しい資本主義」で、成長と分配の好循環を目指している。国民の資産所得を増やして消費や投資を拡大し、それによって企業が成長する青写真を描く。

 日本の家計の金融資産は約2100兆円で、そのうち現金・預金が過半の約1100兆円に上る。これに対し、株式は大幅な増加が続くものの約270兆円、投資信託は約100兆円にとどまる。日本に比べて投資環境が整っている米国は現金・預金が1割、欧州は3割程度だ。日本の現金・預金志向は突出している。

 このため、来年1月から始まる新NISAでは、投資信託や株式の売買で得た利益にかかる約20%の税金が免除される投資額が大幅に増える。岸田首相が昨年9月の米ニューヨークでの講演で「老後のための長期的な資産形成を可能にするには必要だ」としてNISA改革を訴えた経緯がある。

 今年の講演は、さらに一歩踏み込み、投資信託商品を提供する側の資産運用会社や業界の改革に乗り出す決意を示した格好だ。

 政府は、特区創設をはじめとする海外勢の参入促進策のほか、国内の資産運用会社の運用力や企業統治の改善策を盛り込んだ政策プランを年内に策定する。