• 「最も脅威的な」地政学的環境と指摘、ボスティック総裁ハト派発言
  • Xは危うさ露呈と専門家、ECB調査強化、パイプライン破壊行為か

米共和党は次期下院議長を誰にすべきか意見が分かれたままで、明確なコンセンサスは依然として形成されていません。11日に予定される下院採決では規定上、過半数を獲得する候補が出るまで投票が繰り返されます。イスラム組織ハマスの攻撃を受けたイスラエルへの支援は新議長選出まで決議できず、大統領選などに強い影響力を持つとされるユダヤ系有権者から共和党への圧力は強まる可能性があります。以下は一日を始めるにあたって押さえておきたい5本のニュース。

最大の脅威

資産家ポール・チューダー・ジョーンズ氏は、イスラム組織ハマスによるイスラエルへの攻撃を受け、現在の地政学的環境は自身がこれまで目にした中で「最も脅威的かつ厳しい」ものになっていると指摘した。米経済については、来年早期にリセッションに陥るとの見通しを示した。CNBCのインタビューで同氏は「イランとイスラエルが直接衝突することになれば、本当にまずい事態になる。第1次世界大戦のように多くの国を次々と巻き込む力が生じるためだ」と述べた。

利上げ不要

米アトランタ連銀のボスティック総裁は、政策金利をこれ以上引き上げる必要はなく、金融政策はインフレ率を2%の当局目標に戻す上で十分に景気抑制的だとの見解をあらためて示した。同総裁は「これ以上の利上げが必要だとは実際思わない」と発言。景気見通しが予想外に変化した場合は利上げが必要になるかもしれないが、それは現時点で自身が予想するものではないと付け加えた。米連邦準備制度理事会(FRB)のウォラー理事は、米金融当局はインフレ率を目標の2%に戻すことを決意していると講演で述べた。

危うさ露呈

イスラエル攻撃を巡り、X(旧ツイッター)上には、混乱や対立を引き起こすような投稿や誤報があふれた。イーロン・マスク氏による買収と数々の仕様変更により、危機発生時にXがいかに信頼できない情報源に変貌したかが浮き彫りになったと、研究者らは指摘している。デジタルヘイト対策センター(CCDH)のイムラン・アーメド最高経営責任者(CEO)は、ネット上に残る偽情報がもたらすリスクは、単に紛争に関する不正確なイメージを人々に与えるだけでなく、その結果としてさらなる暴力が発生することだと指摘。「うそが憎しみを助長する」と述べた。

調査を強化

欧州中央銀行(ECB)は不動産鑑定業者に対し、評価額算出方法の説明を求めた。商業不動産ローンの評価額引き下げが欧州の銀行は遅過ぎるとの懸念が背景にある。非公表の情報だとして匿名を要請した関係者が明らかにした。銀行の多くは既に商業不動産ローンで評価損を計上しているが、評価額がまだ楽観的過ぎるということになれば、評価額のさらなる切り下げを強いられる可能性があると、関係者の一部は語った。ECBは以前、銀行監督当局が注目すべき分野として商業不動産を挙げていた。

破壊工作か

フィンランドはバルト海海底のパイプラインで生じたガス漏れは意図的な破壊行為が原因とみて、警戒を強めている。欧州のエネルギーインフラの安全性を巡る懸念が再燃した。ガス漏れは北大西洋条約機構(NATO)加盟国であるフィンランドとエストニアを結ぶパイプラインで週末に発生。事情に詳しい関係者が10日述べたところによると、意図的な破壊行為があったとの前提で調査が進んでいる。

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