イスラエル・ハマス戦争は、メディアに劇的な変化をもたらした。関連する記事の本数がウクライナ戦争を圧倒的に上回り、それまでトップだったウクライナ戦争に関連する記事がはるか後方に追いやられた。まるでウクライナ戦争が霞んでいるような状況だ。ウクライナ戦争に変化があったわけではない。メディアの関心がウクライナ戦争からイス・ハマ戦争にシフトしてしまったというだけだ。これで現実の戦争に変化はあるのだろうか。ロイターによるとウクライナのマルチェンコ財務相はさきごろ、「主要支援国の関心が自国の選挙や中東情勢に移っており、必要な資金援助を確保するのが難しくなっている」との危機感を表明した。これに対しイエレン米財務長官はきのう、「ウクライナ支援は米欧にとって引き続き『最優先事項』である」と発言、ウクライナ重視の姿勢を示した。多分そうだろう。だが、メディアの情報量の相対的な劣化が戦況になにがしかの影響を及ぼしているような気がする。

その最たるものはプーチンの露出度が高まり、ゼレンスキー氏は逆に低下していることだ。戦争犯罪人であるプーチンはイス・ハマ戦争の勃発以来、国際舞台で積極的な外交を展開している。ロイターによるとプーチンはきのう、「パレスチナ自治区ガザを実効支配するイスラム組織ハマスとイスラエルとの間の停戦確保に向け、イスラエルのネタニヤフ首相やイランのライシ大統領のほか、シリアのアサド大統領、パレスチナ自治政府のアッバス議長、エジプトのシシ大統領と電話会談し、民間人に対するいかなる暴力も容認できないと表明した」という。それをいうならウクライナでの無差別な民間人殺戮をやめるべきだと、個人的には言いたくなるのだが、それはそれ、これはこれ、国際舞台では何の関連もないようだ。プーチンの発言をまず止めるべきだと思うが、複雑化した国際社会の実態をみると、戦争犯罪人にも発言の余地と自らの権威付のチャンスは平等にあるようだ。

戦争犯罪人であるプーチンに紛争仲介能力はあるのだろうか。きのう、プーチンに関する次のようなニュースが流れていた。「『無能だ』ワグネル幹部プーチン氏に猛反発…プリゴジン氏搭乗機墜落『遺体から手りゅう弾破片』発言受けて」<FNNプライムオンライン>10月15日午後2:00がそれ。プリゴジン氏が搭乗した飛行機が墜落したのは「機内で手榴弾が爆発したせいだ」とのプーチン発言に、ワグネルの元幹部が反発。「プーチンは無能だ」とやり返したものだ。この幹部氏曰く「ワグネルは機内に爆発物は持ち込まないし、持ち込めない」、「あんな発言をした人は無能だ。弾薬の仕組みも手りゅう弾の仕組みも知らない」とこき下ろす。個人的にはこの幹部氏の発言を信用したい。プーチンはそもそも嘘つきだ。ガザ地区住民の心配をするふりをしながら、自分を正当化するための政治的な駆け引きを繰り返しているに過ぎない。中国・習近平、北朝鮮・金正恩と同じ体質の独裁者だ。

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