• 米国債の弱気派が戦略転換、米石油業界の大型買収相次ぐ、人質解放
  • 半導体関連に収益底打ち期待、WPPが中国で拘束の幹部解雇
An Israeli soldier beside a vehicle hit by a rocket fired by Hamas militants in Netivot, Israel, on Sunday, Oct. 22, 2023.
An Israeli soldier beside a vehicle hit by a rocket fired by Hamas militants in Netivot, Israel, on Sunday, Oct. 22, 2023. Photographer: Kobi Wolf/Bloomberg

イスラエルとハマスの衝突拡大抑止や人質解放に向けた外交努力が活発化しており、イスラエルはガザへの地上侵攻を先延ばししているとみられています。関係者によれば政府内では親イラン民兵組織ヒズボラとの戦闘激化や200人余りの人質の運命、イスラエル兵の犠牲といった複数のリスクを踏まえ、地上侵攻の規模や時期に関する見直しが議論されています。議論は計画自体が見送られることを意味しませんが、安全保障担当のベテラン当局者からは、怒りにまかせて報復するのではなく、慎重に整然と作戦を行うべきだとの声も出ています。以下は一日を始めるにあたって押さえておきたい5本のニュース。

米国債への弱気撤回

米国債に弱気な見方を示していた著名投資家の一部は、米国債の売りは行き過ぎとの見方を示している。ビル・アックマン氏はソーシャルメディアX(旧ツイッター)への投稿で、米30年債のショートポジションを買い戻したことを公表。「現在の長期金利で米国債のショートを維持するには、世界にはリスクがあり過ぎる」とし、データが示すよりも経済の減速度合いは大きいと指摘した。一方、ビル・グロース氏は担保付翌日物調達金利(SOFR)に連動した先物を購入しており、10-12月期の米リセッション(景気後退)を見込んでいると述べた。

相次ぐ大型買収

米石油大手シェブロンは同業のヘスを530億ドル(約7兆9500億円)で買収することに合意した。買収によって、新たな有力産油国の一つと見られる南米のガイアナに大きな足がかりを得る。米石油業界の大型買収は、ここ数週間で2件目。エクソンモービルはシェール大手のパイオニア・ナチュラル・リソーシズを580億ドルで買収することで合意した。世界が今後数十年間に使用するエネルギーのうち、石油・ガスが依然としてその中心であり続けるとの見方を反映している。

さらに人質2人解放

イスラム組織ハマスは、さらに人質2人を解放したと明らかにした。いずれも女性だという。エジプトのメディアによると、人質はエジプトの働きかけにより解放され、ラファ検問所に到着した。また先週起きたガザの病院爆発について、英情報当局と兵器専門家はイスラエルが関与したものではないと結論付けた。ハマスが支配するガザ当局によれば、イスラエルの空爆によって過去24時間で436人が死亡。今月7日からの死亡者数は計5087人、負傷者は1万5000人に達した。

収益底打ち期待

月末から本格化する日本企業の決算発表では、半導体関連企業の収益底打ちが期待されている。これを先取りする形で日本株は高値を付けており、一段高には予想を上回る好収益が求められる。市場関係者が注目する半導体関連ではアドバンテストとレーザーテックが31日、東京エレクトロンは11月10日に発表する。世界の半導体販売額は8月まで6カ月連続で前月を上回り、日本の関連企業の収益回復を予想する声が出ている。

中国拘束の幹部解雇

世界有数の広告会社WPPは中国で拘束された幹部を解雇したことを明らかにした。同社の複数オフィスが立ち入り捜査を受けた後、この幹部は贈収賄の容疑で逮捕されていた。同社発表文によると、解雇されたのはメディア取引部門グループエムの幹部で、名前は明らかにされていない。中国ではこのところ、外資系企業に対する締め付けが強まっている。中国当局はアップルのスマートフォン「iPhone」を受託生産する台湾の鴻海精密工業についても調査している。

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