25日、参議院本会議で行われた代表質問では、経済対策などをめぐって、自民党の幹部から岸田総理大臣に異例の苦言が呈されました。

自民 世耕参院幹事長「何をやろうとしているのか全く伝わらず」

自民党の世耕参議院幹事長は、岸田総理大臣の政権運営をめぐって「現状、支持率は低空飛行で、補欠選挙の結果も1勝1敗だった。支持率が向上しない最大の原因は、国民が期待するリーダーとしての姿が示せていないということに尽きるのではないか」と指摘しました。

さらに、「岸田総理の『決断』と『言葉』はいくばくかの弱さを感じざるをえない。その弱さが顕著に露呈したのが今回の減税にまつわる一連の動きだ。『還元』ということばが分かりにくく、物価高に対応して総理が何をやろうとしているのか全く伝わらなかった」と苦言を呈しました。

これに対し、岸田総理大臣は「リーダーは強い意志を持って政策実現していく姿勢を示すことが重要だと考える。変化の流れをくみ取り『あすはきょうよりよくなる』と信じられる時代を実現することを明確に誓い、有言実行を貫いていく」と述べました。

そのうえで「デフレ脱却を確実なものにする一時的な措置として、国民の可処分所得を直接的に下支えし、物価高による国民の負担を緩和するという私の考え方をしっかり伝えていく。この国会でも経済政策や物価対策を中心に議論を重ね、国民に丁寧に説明していきたい」と強調しました。

維新 馬場代表 “国民レベルで同じことを思っているのでは”

日本維新の会の馬場代表は記者会見で「自民党の議員からも『岸田総理大臣は、経済対策で何をやりたいのかよくわからない』という意見が出るということは、国民レベルでは、みんなが同じことを思っているのではないか。むだなお金は使わないほうがよい」と述べました。

そのうえで、みずからの代表質問について、「岸田総理大臣の答弁で『なるほど、すばらしい』と感銘を受けることは一度もなかった。即効性のある効率的な経済対策をやる気がないことがわかった」と述べました。

国民 玉木代表 “厳しい声を真摯に受け止めてほしい”

国民民主党の玉木代表は、記者団に対し「自民党内からも厳しい声が出ていることを岸田総理大臣には真摯に受け止めてほしい。誰がやっても難しい状況だが、国民は困難に立ち向かい、掲げた目標を果敢に達成しようという意欲を見せてほしいと思っている」と述べました。

また、みずからの代表質問については「ゼロ回答とは言わないが、十分な答えがなく、従来型の官僚が用意した答弁を読み上げるスタイルで、賃金が上がる熱量を感じることができなかった。付け焼き刃で所得税を減税しようとしていると感じた」と述べました。