▽米10月CPI3.2%上昇、コアも伸び鈍化 利上げ終了観測裏付け<ロイター日本語版>2023年11月15日午前 4:05 GMT+9
[ワシントン 14日 ロイター] – 米労働省が14日発表した10月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比で3.2%上昇した。伸びは前月の3.7%から縮小し、市場予想の3.3%も下回った。基調的なインフレにも鈍化の兆しが出ており、米連邦準備理事会(FRB)の利上げ局面は終了したとの見方を裏付ける結果となった。

前月比では、家賃の上昇は続いたものの、ガソリン価格が下落する中、予想(0.1%上昇)に反して横ばい。前月比横ばいとなったのは1年超ぶり。前月は0.4%上昇していた。

FWDBONDSの首席エコノミスト、クリストファー・ラプキー氏は「FRBはさらなる進展を確認することを望んでいるが、インフレとの戦いは曲がり角を迎えたようだ」とし、「運が良ければ、景気後退を回避し、インフレも低下するだろう」と述べた。

ガソリンは前月比5%下落と、9月の2.1%上昇からマイナスに転じた。

食品は0.3%上昇。家庭で消費される食品も0.3%上昇した。肉、魚、卵の価格が上昇した。一方、 果物や野菜は変わらずだった。

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インディペンデント・アドバイザー・アライアンス(ノースカロライナ州シャーロット)の最高投資責任者(CIO)、クリス・ザカレリ氏は「経済がリセッション(景気後退)を回避することができるかどうかはまだ分からないが、利上げが議論の対象から外されていることを人々が受け入れ始めているため、株式市場は引き続き上昇し、債券利回りは低下するはずだ」と述べた。

変動の大きい食品とエネルギーを除くコア指数は前年同月比4.0%上昇と、伸びは前月の4.1%から鈍化し、2021年9月以来の小幅な伸びにとどまった。予想は4.1%上昇だった。

A customer shops at a Walmart store ahead of the Thanksgiving holiday in Chicago

前月比では0.2%上昇。家賃の上昇が押し上げ要因になったものの、伸びは過去2カ月の0.3%から鈍化した。

持ち家の帰属家賃は前月比0.4%上昇。9月は0.6%上昇していた。

宿泊費は2.5%下落したが、自動車保険は1.9%上昇した。

リクリエーション、日用品、衣料品も上昇。一方、航空運賃、家具、新車などは下落した。

中古車・トラックは5カ月連続で下落。ただ、下落ペースは幾分鈍化した。

財価格は0.4%下落。食品とエネルギーを除くコア財価格は0.1%下落。9月は0.4%下落していた。

医療費は0.3%上昇。病院の診察料や処方せん薬の価格上昇を反映した。また、10月の統計から健康保険料の算出方法が変更されたことにより、数カ月下落していた医療保険費が1.1%上昇に転じた。

サービス価格は全体で0.3%上昇。9月は0.6%上昇だった。コアサービスも0.3%上昇。9月は0.6%上昇だった。

バイデン米大統領はCPI統計を受け、「インフレ抑制で一段の進展」が見られたと歓迎した。

▽中国10月鉱工業生産、4月以来の高い伸び 小売売上高も予想超え<ロイター日本語版>2023年11月15日午後 1:04 GMT+9