24日、テルアビブに解放された人質を乗せたヘリコプターが到着し、国旗を掲げて喜ぶイスラエル人(AFP時事)
24日、テルアビブに解放された人質を乗せたヘリコプターが到着し、国旗を掲げて喜ぶイスラエル人(AFP時事)

 【エルサレム時事】イスラエルとイスラム組織ハマスの合意に基づく戦闘休止は25日、2日目に入った。パレスチナ自治区ガザは、比較的落ち着いた状況と伝えられている。イスラエルのメディアは戦闘休止を受け、ハマスが25日も前日に続き、ガザで拘束する人質の解放に着手したと報じた。ただ、別の同国メディアによると、イスラエル政府当局者は解放手続きの開始を否定した。人質が解放されれば、イスラエル側も収監するパレスチナ人の女性と未成年者を釈放する見通しだ。

人質24人解放、収監者39人も ガザで4日間の戦闘休止―イスラエルとハマス

 イスラエルとハマスとの合意では、約240人いた人質のうち、女性や子供計50人を解放する。ハマスは24日、第1陣として2~85歳のイスラエル人計13人を解放。さらに合意とは別に、タイ人10人、フィリピン人1人を引き渡した。

 24日に拘束を解かれガザを出たイスラエル人らは、国内の病院に搬送された。子供4人とその母親3人、高齢女性1人を受け入れた病院の院長は「体調は良好だ」と語り、「医学面と心理面で検査を行っている」と明かした。

 ロイター通信によると、解放された男の子の親族の女性は、「(好きなおもちゃを)渡すのが待ち切れない」と喜んだ。一方、ガザに成人の息子が残っているという女性は「うらやましい。そして悲しい」と語った。

 イスラエルのネタニヤフ首相は24日に人質全員の奪還に「尽力する」と表明。祖母が帰還した女性は25日に公開した動画で「人質全員を連れ戻す以外の選択は受け入れられない」と語った。

 イスラエル側は24日、収監する女性や未成年のパレスチナ人39人を釈放した。収容施設を出た女性は、中東の衛星テレビ局アルジャジーラに「少し緊張している。外にいるなんて信じられない」と語った。ヨルダン川西岸からの映像によると、釈放された人々が乗るバスを大勢の人が取り囲んで歓声を上げ、パレスチナ旗と共にハマスの旗を振った。

 ハマス高官は25日、アルジャジーラに「イスラエル側に多くの合意違反がある」と語った。報道によると、合意を仲介するカタールの代表団が25日、イスラエル入りした。